行列待ち1600万人
ゴールデンウィークの休暇を利用して、一年振りに上海へ帰ってきた。街の様子はあまり変わらないのだけど、このエッセイの第399話と第412話で書いた貸し自転車がめっきりと減った。
最大手のモバイク(オレンジ色の貸し自転車)はまだ元気なようだけど、モバイクのライバルだったofo(黄色の貸し自転車)はすっかりだめになってしまったようだ。
友人はofoを使っていたのだけど、ofoが事業不振に陥って街角に置いてある貸し自転車がほとんどなくなったため、解約してデポジットの返金申し込みをした。半年前くらいのことだそうだけど、この時、すでに多くの人がデポジット返金を申し込み、なんと900万人待ちの状態だったそうだ。それから半年経って、今ではようやく850万人待ちになったとか。数百元のデポジットなので、日本円にして3000円から4000円といったところだけど、おそらくあきらめるしかないだろう。
中国のレンタサイクル事業は、貸し自転車そのもので儲けるのではなく、自転車をもとにデポジットを集め、その資金をおいしい投資先に融資して儲けを得るようになっている。黄色の貸し自転車はどうやらその資金運用に失敗したようだ。
今ではデポジット返金待ちの行列は1600万人になっているそうだ。そんな行列ができればとっくに会社がつぶれそうなものだけど、まだその会社は存続している。不思議だ。