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上海から東京へ
上海には三年間住んでいた。
上海もおもしろい街だった。なりより便利だ。奥さんは上海人だし、住み続けてもよかったのだけど、夫婦でいろいろ話をして日本へ帰ることにした。中国では上海もふくめて足かけ十三年間も暮らした。このエッセイで書き続けていたように中国暮らしは刺激があって楽しかった。でも、そろそろ日本へ帰る頃合いかなと。
生活をがらりと変えるわけだから、もちろん迷いや不安があった。でも、奥さんが「変化を恐れるな」と後押ししてくれたのが大きかった。奥さんが帰国に賛成してくれて、それで踏ん切りがついた。
日本へ帰った後、僕の仕事をどうするのかがいちばんの問題だったわけだけど、さいわい、うちへおいでと声をかけてくださったところがあったので、面接を受けて仕事が決まった。仕事を探すのは時間がかかるだろうなと覚悟していたのだけど、すんなりが決まってほっとした。
これから東京で暮らすことになる。
久しぶりの日本での生活だ。ドキドキしている。






