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愉しい夢は禁止よ


 今朝、広州へ出張に行く夢を見た。

 出張先の事務所で、以前僕の部下だった広東人のゴン太君(仮称)が、

「今晩、いっしょにカラオケに行って遊ぼうよ。きれいな女の子がいっぱいいるから」

 と言う。

「いいねえ。遊んじゃおうか」

 僕は愉しくなってげらげら笑った。

 すると、

「なに笑ってんの? どうしてそんな下品でエロい笑い方をするのよ」

 と上海人の奥さんが僕を叩き起こした。

「え?」

 僕はあたりを見回した。広州にいるはずなのに、上海の自宅の寝室にいる。奥さんは不思議そうに僕の顔を覗き込む。

「夢だったんだ」

 それにしてもけっこうリアルな感じの夢だった。

 こんな夢を見たんだよと奥さんに話すと、奥さんはやっぱりねといった顔をする。

「なんだかおかしいなと思って振り返ったら、あなたが寝ながら下品な笑いを浮かべているからおかしいなって思ったのよ」

「そうだったんだ。次に愉しい場面が待っていたんだから、起こさないでよかったのに」

 僕がそういうと奥さんは怒り始めた。

「なに言ってんのよ。夢のなかで女の子となにをして遊ぶつもりだったのよ」

「夢くらいいいじゃない」

「ダメよ。愉しい夢は禁止よ。夢の中でも浮気しちゃダメなの」

 それから奥さんは、十分くらい僕に説教をした。あなたは女好きだから信用できない、女の第六感は鋭いのだから甘く見ないほうがいい、浮気を見つけたら即離婚だなどといって僕を脅す。

「わかったよ。浮気しないから」

 僕はしぶしぶうなずいた。

 今日、昼下がりの飛行機に乗って広州まで出張にきた。広州へ出張にくる予定だったので、今朝あんな夢を見たのだ。時間があるから遊びに出かけてもいいのだけど、さんざん説教されて気分がなえているので、どこへも行く気がしない。

 たまには愉しく遊びたいんだけどな。奥さんに迷惑はかけないから。



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