表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
402/518

うなぎのたれ丼


 学生の頃はとにかく腹が減ってしかたなかった。

 東京で一人暮らしをしていたのだけど、バイト代は次からつぎへと食費で消えてゆく。

 うなぎの蒲焼は大好物だけど、そんなエンゲル係数の高い生活を送っていたのでは、なかなかうなぎの蒲焼は手が出ない。スーパーでうなぎの蒲焼をみかけても、限られたお金でとにかく量をみたさなくてはいけないから、ほかのものを買うしかない。

 でも、ときどき、

「ああ、うなぎが食べたいなあ」

 と、どうしても食べたくてしかたなくなってしまうときがある。うなぎの匂いが鼻孔をつつくようだ。スーパーの棚に並んだパック詰めのうなぎが僕に食べてくれとささやきかけるようだ。うなぎを見ているだけでつばがわいて、お腹が空く。

 そんな時は、うなぎのたれを買って帰り、うなぎのたれ丼を作った。なんのことはない、どんぶり飯にうなぎのたれをかけただけのものである。

 御飯にしみこませたうなぎのたれを味わいながらうなぎを食べた気分になる。どうせうなぎを食べるのだったら、スーパーのパック詰めではなくて、浜松駅で売っている駅弁のうなぎ弁当を食べたいなあなんて思ったりして。

 いろんなことを想像しながらうなぎのたれ丼を食べた後は、ちょっぴり贅沢した気分になったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ