ゆっくりゆうやけ

七か月目の人工中絶

　中国人の知人から悲しい知らせが入った。

　妊娠七か月目の赤ちゃんを人工中絶するのだという。

　口唇口蓋裂であるうえに、へその緒が何重にも首に巻きついており、このままではたとえ出産したとしても死産になってしまうだろうとの医者の診（み）たてだったそうだ。医者と相談して、中絶することにしたという。

　口唇口蓋裂――いわゆる兎唇（みつくち）は、お金を積めば手術して治療できるかもしれないが、へその緒のほうはどうにもならないのかもしれない。

　誰だってお腹の子供を中絶などしたくはないだろう。ましてや、七か月まで育ててきたのだ。彼女と赤ちゃんの心情を察するといたたまれない。

　なんとも気の毒な話だ。