果実酒作り ~やまもも酒とライチ酒
行きつけのバーの自家製果実酒がおいしいから、自分でもつけてみようと思い立った。僕は甘いお酒が好きだ。日本にいた頃は夕張メロン酒をよく買っていた。
まずは酒を手に入れる。
外国食材専門ショップで宝「純」を買ってきた。ホワイトリカーがあればいちばんいいのだけど、残念ながら置いていなかった。広州の地元の人は、こちらの白酒で果実酒を作る。二度ほど広州人自家製の果実酒を飲ませてもらったことがあるけど、どちらもおいしかった。とくに三年つけたという蜂蜜入りの梅酒は絶品だった。でも、どうせ自分でつけるなら、やっぱり、日本のお酒でつけてみたい。ただ、宝「純」の七二〇ミリリットルの瓶が一本一五〇〇円くらいするのが痛いところのなのだけど。こちらでは輸入品だからしかたないか。入手できるだけでもよしとしよう。
先月はちょうどやまももが旬だったので果物屋でやまももを一キロ買い、一・八リットルの広口瓶二本分のやまもも酒にした。
作り方は簡単。
やまももをペットボトルの飲料水で洗い、乾かしてから広口瓶に放りこんで焼酎を注ぎ、あとは氷砂糖を入れるだけ。
ただ、果実の量がすこし少なかったかもしれない。ホームページで見つけた果実酒のレシピではちょうどいいくらいの分量なのだけど、行きつけのバーのそれはたっぷり果実を入れていた。果実の多いほうがいい味になるんだろうな。来年作る時はやまももをもっと買ってくることにしよう。
つけてから一か月経った今、やまもも色がにじんでいい紅色になっている。やまもも酒の瓶を見るとつい飲みたくなってしまうのだけど、我慢がまん。最低でも三か月はつけておかないと味がまろやかにならない。長くつければつけるほどおいしくなる。
七月になってライチが旬の季節になったので、今度はライチ酒に挑戦してみた。「桂味」という品種のライチを五キロほど入手。ライチにもいろんな品種があって、「桂味」は味がいちばんおいしい品種の一つ。種が小さくて実が甘い。味見してみると、身は弾力があってぷりぷりしているし、ほんとうに美味だった。
一キロぶんは自分で食べたり知人におすそわけしたりして、残りの四キロを果実酒にする。こんどはレシピには頼らずに、なるべく果実をたくさん入れることにした。
ライチの皮をむいて種を取り、一・八リットルの広口瓶三本に白い実を放り込んだ。三時間ほどひたすらむき続けていたので、さすがに親指が痛くなってしまった。果物ナイフでむけばよかったのに、むくのに夢中になって気づかなかった。
あとはやまもも酒と同じ。宝「純」を注いで、適当に氷砂糖をふりかける。ライチの甘味がにじんでいい果実酒になってくれるといいな。ちなみに、地元の人がライチ酒を作る時は、皮をよく洗って皮ごと白酒につけてしまうのだとか。
やまもも酒もライチ酒もどんな味に仕上がるのか楽しみだ。秋になったら、果実酒で晩酌しながら本でも読もうかな。