謎の空母ヴァリャーグ
どこの海軍もそうだけど、規模が大きくなれば空母を持ちたがる。
日本の海自は、現在、『ひゅうが』と『いせ』の二隻のヘリ空母を所有している。僕が子供の頃は、日本が再び空母を持つなんてとても考えられなかったけど、いつのまにかできあがってしまった。今年はさらに大型の空母を着工する。
中国海軍もいよいよ全長三〇五メートルの大型空母を就役させる予定だ。
もっとも、その空母は一九八五年に旧ソ連が建造を始めたもので、ソ連崩壊後、資金不足のために工事中止となっていたのをウクライナ海軍が接収し、その後中国が買い取った。中国へ回航してから大連で工事が続けられ、足かけ二十六年かけて、昨年ようやく工事がほぼ完成した。なんとも数奇な運命をたどった空母だ。
今までのところ、この空母がどれほどの実力を持つものなのかは不明で、謎のベールに包まれている。
ロシアのスホーイ33をもとに開発した殲撃15型艦上戦闘機を載せたすごい空母なのだという噂もあれば、練習用としてしか使えないという噂や、長年放置されていた船体なのでがたがきていて使い物にならないという噂もある。
中国海軍初の空母にどんな名前をつけるのかというのもまだ決まっていない。建国の英雄「毛沢東」の名前をつけるという説もあれば、「泰山」という日本でいえば富士山にあたる山の名前をつけるという説もある。いずれにせよ立派な名前がつけられるのだろう。
もちろん、戦争なんてないに越したことはないのだから、活躍する機会もなく謎のまま退役してくれるといいのだけれど。
追記
その後、空母ヴァリャーグは「遼寧」という名を与えられて正式に就航しました。




