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自分だけは変わらずにいられるから

 

 好きだから小説を書いている。

 いわゆる、下手の横好きというやつで、いっこうに上達しない。進歩しないなと自分でも思う。

 小説で世界を変えられるはずもないけど、小説を書いていれば自分だけは変わらずにいられる。僕にとって、小説を書くという行為は、大切なことを確認するための作業なのかもしれない。

 世の中が嫌な方向へ流れていっても、自分だけは流されずにすむ。つらいことがあっても、信念だけは曲げずにいられる。こんなことをしていては、うまく世渡りできないのは当たり前なのだけど、それでいいと思っている。つまるところ、覚悟の問題だ。

 もちろん、僕はかなり不完全で不器用な人間だから、まだまだ足りないところだらけだ。人間もできていない。だから、できるだけ進歩しなくてはと思っているし、自分なりに努力もしているつもりだ。

 ただ怖いのは、よかれと思って努力したつもりが、逆にマイナスの方向へ働きはしないかということだ。「よいこと」をしたつもりが、反対に「悪いこと」のためにがんばっていた、なんことが往々にしてあるものだから。

 人間という生き物は悟りでも開かなければ、悪から逃れられないものだと思う。

 欲望がある限り、悪いことをしてしまう。自分の欲望をある程度満たさなくては生きていかれないから。世の中の大きな仕組みのなかで身動きが取れず、不本意とはいえ、すまないことをしなくてはいけないこともある。世の中の仕組みにある程度順応しなくては、生きていかれないから。すべての人にいい顔をするわけにもいかない。

 それは重々承知のうえなのだけど、自分だけは変わらずにいたいと思ってしまう。ままならない自分だけど、変わってはいけないことを変えてはいけないと思うから。

 小説を書きながら、こんなことをふと思った。



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