不惑宣言
なんの因果か知らないけど、四十代に突入してしまった。
――やれやれ。
というか、
――なんってこった。
それよりむしろ、
――どうしてくれるんだ!
と叫ぶべきか。
独り者で気ままに暮しているから気分は若いつもりだ。頼みもしないのにむりやり四十代にさせられてしまったという気がする。なんだかとても理不尽だ。
先日受け取った健康診断書には漢語で「超重」と書かれていた。つまり、ウェイトオーバー。自分でもメタボになっているのはわかているけど、健康診断書にそうかかれるとやっぱりちょっとショックだ。顔にずいぶんぜい肉がついてしまった。中国人には三十歳くらいに見えるとよく言われるのがせめてもの救いか。でも、それを裏返せば「成熟」していないということになるのかもしれないけど。
昔々、孔子さまは「四十にして惑わず」と言った。四十になったら自分の考えをしっかり持って、途惑ったり迷ってはならないということだ。
もっとしっかりしなくては、と自分でも反省している。
今までの僕は、ランランもかわいいし、メイメイもきれいだし、でもでも、フォアフォアもやさしいしなあと迷ってばかりいた。
これではいけない。これからはこんな優柔不断なことは許されない。そんな自分を許してはならない。
そこで、ランランちゃんも、メイメイも、フォアフォアもみんな大好きと心に決めて、すべてを愛そうと思う。一人だけを愛するなんて、ちっぽけな愛情だ。多くを愛してこそ強い愛と呼べるのだ。
これを浮気者という。
かみさま、今年こそ、一人でいいから僕に振り向いてくれますように。