表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/518

偽造ナンバーの白タク

 

 知人が広州空港から市内へ向かった時のこと、空港にいた客引きに連れられて白タクに乗った。

 空港を出た白タクはまっすぐ高速にはのらず、なにやら細い脇道へ入る。知人は堤防のようなところへ連れて行かれてしまった。人影のないところで車をとめた運ちゃんはニカッと笑い、

「チェンジ」

 と、英語で繰り返す。

 知人はなんのことだかさっぱりわからない。車を降りて金を出せと言われるのかと不安になってしまったそうだ。

 運ちゃんはボンネットの前に立ち、やおらナンバープレートをぱかっと外す。プレートはマグネットで装着してあった。それから、車内から持ち出した白いナンバープレートにつけかえた。

「ハイウェイ、ノー・マネー」

 運ちゃんは、またもやニカッと笑った。

 実は、彼がつけたのは軍専用のナンバープレートだった。

 中国人民解放軍の車は解放軍専用のナンバーを持っている。白地のプレートなので一目見れば誰にでもすぐにわかる。軍の車は優遇されていて、高速料金や橋の通行料がタダになるのだ。もちろん、運ちゃんがつけたのは偽造ナンバーだ。正式のナンバープレートは取り外しできないよう封印をつけてある。マグネットで装着するだなんて、とんでもない。

 高速道路にのった白タクはクラクションを鳴らしっぱなしにして、右へ左へと車線をかえながら次々と車を追い抜かし、料金所もスルーしてあっという間に市内へ着いてしまった。軍のナンバーをつけていれば、いくらスピード違反しても警察は手を出しにくい。

 金儲けのために解放軍のナンバーを偽造するとはなんともたくましい人だ。だけど、もしもばれたらタダではすまないと思うんだけどなあ。なにせ、相手は軍だからねえ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ