ライチの季節
六月下旬から七月上旬にかけて、広州の街角にはいっせいにライチが出回る。ライチの旬の季節だ。果物店の軒先に、町の屋台に、暗紅色のライチが山盛りになって並ぶ。白い果実はとても甘くておいしい。新鮮な果物をいろいろと楽しめるのは、南国住まいの特権。
ライチは、漢の武帝の時代にはすでに栽培されていたそうだ。こんな美味な果物だから放っておく手はないだろう。
唐の楊貴妃はライチが大好物でわざわざ華南から取り寄せさせていたのだとか。楊貴妃の死後、玄宗皇帝はライチを彼女の墓前に供えたという。白居易や杜甫の詩にもライチの名前が出てくる。ちなみに、ライチは漢語で茘枝と書く。この漢字の日本語読みは「れいし」。ライチという呼び方は閩南語(福建省南部の言葉)だそうだ。
ひと口にライチといってもいろんな品種があるけど、やはり甘味が深くて種の小さいものがいい。「挂緑」や「糯米稵」という品種はどちらも人気が高い。
ただし、おいしいからといって、あんまり食べ過ぎるのは禁物。中国医学ではライチは「熱い」食べ物になる。食べ過ぎれば、体を温め過ぎてしまうことになるので、吹き出物ができてしまうし、ひどい場合には鼻血が出る。
ひと箱おすそわけしていただいたのだけど、食べ切れそうにないから、実を剝いてタッパーに詰め、冷凍庫へ入れてシャーベットにした。
ブログ『風になりたい』にライチ狩りの写真をアップしました。
http://blog.goo.ne.jp/noduru/e/bac42c5b493aa1272fcf761206721742