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四川美人の憂鬱?

 

 四川美人は中国の三大美人の一つ。

 四方を高い山に囲まれた四川省は曇りか雨の天気が多くて、太陽はほとんど顔を見せない。晴れたとしてもうす曇。秋も深まると毎日霧が立ちこめ、夜部屋の窓を開ければ、ドライアイスの煙のような霧がどっとなだれこんでくる。まぶしいほどに太陽が輝くことなんてほとんどないから、色白の女性が多い。

 広東省で働いていたある四川人の女の子が古里へ帰ることになった。四川人らしい白くてきれいな肌をしている。顔立ちはごく普通にかわいい。

 地元の就職口も見つかったし、親も帰ってきて欲しいとのことだったので、

「よかったじゃない」

 と僕は言ったのだけど、彼女の表情は四川の天気みたいに曇ったままだ。

「帰りたくないの?」

 僕は訊いた。

「あんまり」

「どうして?」

「四川には美人がいっぱいいるから、わたしなんか埋もれてしまいます。いい相手を見つけようとしても競争率が高くなってしまいます」

 半分冗談だけど、半分しょんぼりしている。女の子はそんな風に考えるんだと思った。

「きっといいご縁があるよ」

 僕はそういって慰めた。ほんとに、こればかりは「縁」だからね。




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