第62話
ブレイク達が一度家に戻ると
ノワ達も一部始終を見ていたようで
「大丈夫?ライトもそうだけど
ブレイクも休んだ方がいいんじゃない?」
ブレイクの疲労を考えてノワは
ブレイクとライトを寝室に移動させ寝かしつけ
広間に戻るとヴィクトリアが
今回の話をまとめようとしていた
「イチゴ、さっきのアレは四大魔獣の1体
天災の鬼神で間違いないのか?」
「はい、自身をラーダと名乗る以外は
おかしい点はありませんでした」
イチゴはヴィクトリアの問いに答え
ヴィクトリアは頭を悩ませる
「おかしい点はない...か
息子の時間魔法が効いていなかったが
それも天災の鬼神にはあり得ると?」
「はい、創造された当時
邪神と同程度の力を有していた
特別なモンスターです
現状では勝てる見込みは無いと言えるでしょう」
「そんなラーダ?だったか
ラーダが苦戦する相手が深淵の怪物?
...意味がわからん!
邪神を倒して終わりだと思っていたんだが
それだけではないらしい
息子は大事を取って休ませたが
ラーダは3日後
迷いの森にまた現れると言っていた」
ヴィクトリアはブレイクが翌日に起きてから
また会議する事を決め自身も身体を休めようとした
しかしヴィクトリアは眠れずにいた
明かりが灯っていない大広間の椅子に腰を下ろす
そこに誰かが入ってきた
「ヴィクトリアさん、大丈夫ですか?」
「アークか、なんだが眠れなくてな
それに義母さんと呼べと言っただろう?」
そうすっねとアークが苦笑いを返し光魔法を使う
広間をあたたかい光で包み込み
「少し目を瞑ってるだけでも
翌日、疲れが違いますから」
アークのあたたかい光のおかげか
ヴィクトリアは段々とウトウトし始め
「ありがとうアーク
これで少し寝れそうだ」
それは良かったとアークは魔法を解き
ヴィクトリアを部屋に送り
メイベルとジークとロザリーがいる部屋に戻った
「母上どうだった?」
「なんか眠れない感じだったけど
光魔法を使ったら少し眠気が出てきたみたいだな」
「そっか
母上がそうなるのも無理はないけど
ブレイクが敵わない相手か...」
メイベルも今までのブレイクの事を考えると
また強くなり遠い存在になってしまうのでは
ないかと考えていた
「置いていかれる訳にはいかない
母上もそれを感じとって
寝れなくなったんだろうし」
「まあ、3日後次第だろ
子供達はまだ小さいし
ブレイクもそうだけど他の仔犬?
ライトの事をそう呼んでたから
ブレイクの血縁は特に
ライト、ティア、ルベル、ノエル、ディルは
まず間違いなく関係ありそうだしな」
ラーダの言っていた事を考えると
ブレイクは3日後に迷いの森に行くのだろうと
メイベルとアークはそう考えながらも眠りについた
翌日、ブレイクを加えて
ヴィクトリアが話し合いを始めた
「ラーダが言っていた事を踏まえると
息子達の戦いは終わっていないらしい
更にはそこに孫達を加えて
恐らくだが邪神戦より苦戦を強いられるだろう
光の勇者ではなく時の英雄王だっか?
息子の転職先がソレだと考えると
他の6つの神や王の名を冠する存在も
探さないといけないのか?」
孫や息子が心配なヴィクトリアに
「どうなんですかね?
今はまだわからない事だらけですけど
明後日、迷いの森に行ってから
ラーダに聞くしかないんだと思います」
ブレイクの表情は何処か寂しそうな表情をしており
迷いの森でラーダに話を聞く前から
これから待ち受けている戦いを覚悟していた
ブレイク自身どうなるかわからない戦いに
自身の子供達が巻き込まれるとなると
ブレイクは護り切れる自信がなかった
「僕だけなら無理してもとは思ってるんだけど
子供達とか周りの人が関わってくるとなぁ」
ブレイクの悩みにノワ、スゥ、ティラ
それにクレアとメルが子供達を抱っこして
ブレイクの側に寄ってくると
「大丈夫だよ
ブレイクは1人じゃない
私達もいる1人でどうにかしようと思わないで」
「主は考え過ぎだなぁ〜
スゥ達は皆ちゃんと強いぞ?」
「強いかどうかは置いといて
皆がいるのは確かよ
ブレイクは1人でなんとかしようとし過ぎね」
「いつも護られてばかりだけど
無理はしないで...私達も力になるから」
「一緒に大事なモノを護らせて
ブレイクが大事なモノは
私達にとっても大事なモノなんだよ?」
妻5人はそれぞれブレイクにくっ付いたり
頭を撫でたり、手を取ったりしていた
それを見た子供達は
「パパはぼくがまもるよ!」
「「おとうちゃん、だいじょうぶ!
みんなでがんばろ〜!」」
「zzz」
「ぼくも...がんばる」
ノエルは相変わらず寝ていたが
ライト、ティア、ルベル、ディルは
ブレイクを励ましていた
ブレイクの中で皆は
やはり護る存在という感覚が強い
ブレイクは考え方を改める必要があった
ノワ達、妻達のブレイクを助けたいと思う気持ちは
段々と募り募って1つの答えを生み出し
ノワ、スゥ、ティラ、クレア、メルの5人の
妻達の身体が輝き出し始め
「パパ!?ママたちがひかりだしたよ!?」
ライトは初めての現象に驚き興奮していた
眩い光でノエルも眠りから覚め
ティアとルベル、ディルは眩しいのか
両手で目を塞いでいた
そこに現れたのは片籠手とブーツとマント
それにイヤリングと指輪だった
「...これは?」
妻達が急に輝き出し
その手に持っているモノを見たブレイクは
困惑していた
するとイチゴが鑑定を始め説明してくれた
「まずは...黒龍の片籠手
龍神バハムートを彷彿とさせる色味をしており
防御力を上げてくれるモノで
上手く使いこなせば形状変化等も可能です
そして...古の民のブーツ
戦闘民族メソポリアの脚力を再現するモノで
俊敏性を底上げし超高速の戦闘が可能になります
これは...歴戦の覇者のマント
古より受け継がれた覇者のマントで
歴代の覇者の知恵や力を受け継いだモノです
装備している者の思考時間を引き延ばして
戦闘中の選択をする時間が増える代物です
さらに...ハリベルのイヤリング
このイヤリングは古代の兎人の英雄ハリベルが
身に付けていたイヤリングでハリベルは
兎人の中でも特に聴覚に優れていた人物で
目を瞑って敵を殲滅したという伝説が有名です
そのハリベルの聴覚を補助したとアクセサリーです
最後に...命の指輪
この指輪は周りの自然の魔力を貯め
蓄積された魔力が装備者の身代わりになります
いずれも伝説級の装備です」
鑑定が終わるとブレイクは妻達から
それぞれ装備を受け取り身に付ける
装備でブレイク自身の力を底上げする事になったが
肝心の時の英雄王に成る為に子供達と妻達を連れ
ブレイクはシスターメリアがいる教会に向かう
「時の英雄王に成れるかは
わからないですけど
シスターメリアの所に行ってこようと思います」
ヴィクトリアとメイベル、アーク達は留守番をする
ブレイク達だけでの外出だった
「気を付けるんだぞ
装備が高い性能をしているから
人にぶつからないようにな」
ヴィクトリアがブレイクにそう忠告して見送った
教会に着くとライト達はスゥとメルが扇動して
孤児院の子供達と遊んでいた
クレアに寝ているノエルの面倒を任せて
ブレイクはシスターメリアに挨拶をして
ブレイクは転職の準備をする
そして転職の儀式が始まった
ブレイク・クロノ・シルヴァ・ハート
職業・光の勇者(250/250)
転職先候補1・時の英雄(選択可能)
転職先候補2・時の精霊(選択可能)
転職先候補3・時の英雄王(選択不可)
「精霊はまだ早いかな...」
ブレイクは暫く考え込む
(ラーダの話が本当なら
時の英雄王に成るしかない
でもその選択が出来ないとなると
一体どうしたら...)
「どうしたの?
時の英雄王に成るんじゃないの?」
とティラがブレイクに声をかける
「成りたいんだけど選択不可って出てて...
それに英雄王、王って何すれば成れるんだろう?」
「ブレイク、それは覚悟の問題だと思うわよ
私も昔、言われた事があるけど
簡単に言ってしまえば王族は国の代表って事になる堂々としていないといけないっていう覚悟が必要
自身に負けないという覚悟が」
「覚悟...」
(家族を護る為に、僕は...)
【条件が揃いました転職先を解放します】
ブレイクの転職の欄を見る
すると時の英雄王が選択可能になった
「ありがとうティラ
これで時の英雄王に成れそうだよ」
「それはよかった
ブレイクはどんな覚悟をしたの?」
「えっと...言わなきゃダメ?」
そりゃ気になるでしょ?と
ティラはノワと2人で話していて
ノワもうんうん!と
ブレイクの覚悟が気になるようで
2人してブレイクに詰め寄る
「えぇと...
何があっても家族を護るって
覚悟を決めただけだよ」
「?」
「でも前からそうじゃない?」
「いや少し違うんだ
誰かを助けるって事は
誰かを助けないって事だ
誰かを犠牲にしているって事になる
選んでる時点で僕はもう勇者じゃない
光の勇者にはもう戻れないって事だね」
ブレイクは以前シルに言われた事を思い出していた
勇者と英雄の違い
勇者は人には手に余るが英雄なら人でも出来る
邪神戦の時にローグが
ブレイクをノワと同衾させたがっていたのは
ブレイクを強くする為、英雄にする為だった
「僕が到達出来なかった英雄に
成るには相応の覚悟は必要って事なのかな?」
転職が終わりブレイクはスゥ達を迎えに行き
ヴィクトリア邸に向かった
ヴィクトリア邸に帰ると
「どうだった?」
ヴィクトリアがブレイク達が
帰ってくるなりブレイクに聞くと
「成りました、時の英雄王に
ラーダに話を聞くために
明後日には僕は迷いの森に行かないとですね」
ブレイクを見るヴィクトリアは少し不安そうだった
ヴィクトリアの様子にブレイクは
「大丈夫です母さん
僕は1人じゃない...皆がいます」
ブレイクはヴィクトリアの手を取る
「そうか...
明後日はミランドに言って仕事は休んだ
私も行くからな」
ヴィクトリアが居るのは頼もしい限りだと
ブレイクは安心する
「ばあちゃもいっしょにおでかけだ!」
ライトはヴィクトリアも行けるのが嬉しいのか
その場で小躍りしていた
それを見たスゥとティア、ルベル、ディルも
一緒になって踊っていた
それを見ていたメイベルが
「母上が休みなら
ユージーン様は忙しいんだろうね
アークは久々に会いたいとかないの?」
それを聞いたアークは少し黙った後
「親父にか?うーん、あんまないな
母さんがたまには帰ってこいって手紙が届くけど
親父は特に連絡ないしな」
アークは頭を掻きながらそう言い
ジークとロザリーの寝ている様子を見て
「たまには孫を見せに行った方が
良いんだろうけどさぁ
帰る機会があんまないからなぁ」
アーク本人は帰る機会を逃し続けている様子だった
そんなアークにメイベルが
「そんな事言ってると
ずっと見せてあげれられないよ?
明日ユージーン様達の所行こう」
メイベルの提案を受けて
アークは素直に頷き
翌日アークとメイベルは双子を連れて
ユージーンとマリアの元に向かう事にした
ヴィクトリア邸から
ルナが運転する馬車で
ユージーン邸に向かうアーク達
しばらくしてユージーン邸に着くと
「おかえりなさいませ
旦那様がお待ちです」
とユージーン邸のメイド長が出迎えてくれた
メイド長に案内されアーク達は
広間に通された
「久しぶりだねアーク
それにメイベルちゃんも
元気にしてたかい?」
ユージーンがアーク一家を迎え入れる
マリアとライコが居ない事にアークが
「久しぶり...って
母さんとライコ姉は?」
ユージーンは奥の部屋を指差し
「マリアがフィルとサリィの母乳をあげてる
ライコも一緒にお世話してくれてるよ」
そっか、とアークが弟のフィルと妹のサリィに
あんまり関わらないと兄として
忘れられるんじゃと考えていると
シャルネがライコに逢いに奥の部屋に向かった
「ユージーン様、お久しぶりです」
「やあ、メイベルちゃん
お義父さんと呼んでいいんだよ?
マリアをお義母さんと呼ぶのは
ヴィクトリアが怒りそうだけどね
それにジークとロザリーも元気そうでよかった」
メイベルがユージーンをお義父さんと呼ぶのには
まだ時間がかかりそうだったが
ユージーンがアーク達に
ゆっくりしていくといいよと言ったタイミングで
マリアが母乳をあげ終わったのかフィルを抱いて
ライコはサリィを抱いて広間に戻ってくる
「あら、メイベルちゃん
元気にしてた?アークとはどう?
この子メイベルちゃんに迷惑かけてない?」
「特に迷惑はかけられてないですね
ジークとロザリーをあまり見せないのが
少し気にはなりましたけど
今回こうして訪問できたので良かったです
迷惑じゃなければ
また来たいんですが良いですか?」
「それはもう、いつでも来なさい
フィルとサリィも
たまにはアークを見ておかないと
忘れちゃうんじゃないかしら」
とメイベルとマリアは話し合っていた
「お母さん!お兄様は全然
逢いに行かないから久しぶりなのです!」
ライコがサリィを抱っこしながら
シャルネの頭を撫でて
「孫も忙しいんだろう
マリアもそうだが育児は大変だな
シャルネはすぐ育ったが
人族は育つまで時間も手間も必要だからな」
ジークにロザリー、フィルにサリィの子供達は
昼寝の時間になった為、寝かしつける
「それで、今日はどうしたんだい?」
ユージーンがアークに聞く
「いや、特に理由は無いんだけど
親父達に孫を見せに?って所かな
あとは、フィルとサリィを見にきた感じかな」
アークの言葉にマリアが
「たまには帰ってきなさい
母さんもライコさんも寂しいんだから」
私もか!?とライコも巻き込まれていた
そんな話の中メイベルが
「アーク、全然逢いに行こうとしないので
いい加減連れて行こうと思いまして
ユージーン様とマリア様
それにライコさんに
フィルちゃんとサリィちゃんに
ジークとロザリーを逢わせておきたくて」
メイベルはアークはシルヴァ家に婿に行ったが
アークの親であるユージーン達とも
仲良くしたいという気持ちがあり
それはユージーンもマリアも伝わってきて
2人とも嬉しい様子だった
そんな中、シャルネの頭を撫でていたライコが
「ひ孫達が来たのはわかったが
あの女はなんだ?以前から居るな」
とライコはルナを指差し
ユージーン達もルナを紹介されておらず
シルヴァ家の新たなメイドかな?
くらいにしか思っていなかった
「彼女はルナ、私の専属メイドで
アーガルド王国の粛清組織の元メンバーです」
えっ!?粛清組織!?とユージーンが驚いており
ヴィクトリア同様に
苦虫を噛み潰したような顔をして
「...まぁ、元って事は今は違うって事だよね
メイベルちゃんの専属メイドなら
それはそれ...かな?」
マリアは話があまりわかっておらず
ルナと普通に話しており
「よくわからないけど
メイベルちゃんのメイドなのね
これからもメイベルちゃんをよろしくね」
はい!とルナは返事をし
ユージーン達はお昼ご飯にする事にした




