第1話
ガタガタガタガタ
馬車の音が奴隷達の耳には響いていた
その奴隷達を引き連れ
荒野を奴隷商人の一団が進んでいく
商品の奴隷達はこの荒野を西に進み
奴隷制度が黙認されているガバ帝国に
売られる予定だった
奴隷は魔法がかかった首輪をされ繋がれる
その首輪の魔法が発動すると
途端に頭と胴体が離れ離れになる
「ほら歩け!
このままじゃ日が暮れちまうだろ!」
日が暮れると大型モンスターの動きが活発になる
その前に遠くに見える村まで移動させる
奴隷達は恐怖で泣き喚く者、叫ぶ者
気が触れてしまったのか笑う者など居たが
その奴隷達の中に笑うでも泣くでもない
とても奴隷らしくない少年が居た
純白の髪が肩まで伸びていて毛先は少々傷んでいる
その瞳はルビーの様な赤色をしていて
同年代より成長が遅い華奢な少年だった
少年はとある女性に肩を貸し一緒に移動する
その女性の名前はカルラ、少年の母親だった
「カルラ、村が見えて来たよ」
「そうかい坊や
そろそろ休憩したいけど
こりゃあ、まだ移動しそうだね」
カルラは右目を潰され傷口を焼かれ
顔の右側は爛れており左目もあまり見えていない
それに左足のアキレス腱が切られている為
自身ではまともに歩けない
少年はそんなカルラの目や杖代わりになっており
2人は常に一緒に行動する
カルラに肩を貸して少年は奴隷達に付いて行く
暫く歩いて行くと奴隷商の一団が村に着く
「よーし!
お前ら奴隷共に飯を与えておけ!」
奴隷商人の頭領が部下に指示を出し
情報を求め商人ギルドに向かった
奴隷商人の部下達がパンと水の配給を始め
それを少年は見てカルラに声をかける
「カルラ行こう
パンが配られ始めたよ」
カルラは少年に
「私は良いから坊やだけでも、貰ってきな」
と少年に言うが少年は母カルラに肩を貸す
カルラは頭を掻きながら照れ臭そうな顔をして
少年と2人で配給へ向かう
少年は2人分のパンと水を貰ってきて
近くの切り株にカルラを腰掛けさせ
少年はカルラの横に座った
「坊や、これも食べな
アンタは同年代より身体が小さいから」
と、パンを半分ちぎり少年に渡す
「僕は...いつも貰ってばっかりだ」
少年がカルラにそう返すが
カルラは少年の頭を撫でまわし
「いいんだよ
坊やは、あと2年で自由なんだから
自分の事を考えて生きていかなきゃいけないんだ」
奴隷の子供は10歳までは他の奴隷と
同じ様に生活させる
その後は買い手が付かなければ
孤児院に預けられる予定だった
少年は今年で8歳になった為
あと2年で自由の身になる事を
カルラは言っていたが
少年はこのまま2年を過ごすと
カルラと離れ離れになる事を考え
どうにかならないかと悩んでいた
「僕はあと2年だけど
カルラはどうするの?」
率直な疑問をカルラにぶつける
「私かい?うーん
目も見えないし左足がコレじゃねぇ
顔の傷が影響して男の相手も出来ない
というか男が気味悪がるからねぇ
このままだと買い手が見つからないだろうから
処分されるだろうね」
処分?とはなんだろうと
少年は言葉の意味がわからないでいると
カルラにまた頭を撫でまわされ
「坊やには難しい話だったね
気にしなくていいよ
たぶん、そんなすぐの事じゃ無いし
私は私でどうにかするしかないからね」
少年は頭を撫でられるのが嬉しいのか
無抵抗のまま撫でられる
そしてカルラはそんな少年を抱き寄せる
「カルラ!?...どうしたの?」
カルラは暫く黙っていると
「坊やには私の分まで生きて貰わないとね
これから辛い事や苦しい事
勿論、楽しい事が沢山あるだろう
そんな色んな事があるけど
ちゃんと生きていくんだよ、坊や」
少年はカルラが何故そんな事を言うのかわからない
だが、カルラにはこの先の事があるのか
それがわかるかの様な予感があった
「カルラ?
僕はカルラと一緒がいいよ
そんなふうに言われても
カルラが居ないなら
僕は...嫌だよ」
少年はカルラが居ないなら
生きていても仕方ないとまで思っていた
だがカルラはそれでも少年に生きてほしいと望んだ
そんな中、奴隷商人達が騒ぎ出す
近くで蠍型の巨大モンスターの目撃情報を
商人ギルドから仕入れたからだった
「落ち着け!
日の出てる時間は大型のモンスターはあまり動かん
その間に奴隷共を移動させるぞ!」
奴隷商人の頭が部下を落ち着かせ
その日は休み、翌朝の早朝から
奴隷商人達は奴隷達を移動させた
「...モンスターか嫌だね
鉢合わせなければいいけど」
カルラの言葉はまさにフラグだった
奴隷商人の一団が半日かけてガバ帝国に進むが
道中、蠍型の巨大モンスターに鉢合わせる
「ギギギィィィィィ!!!」
金切り声と共に口をカチカチさせ
蠍型の巨大モンスターは奴隷達を襲い始める
奴隷達に抵抗する気力は無く
それを見ていた奴隷商人達が
「ひぃ!お頭!
もう無理だ!俺はトンズラこかせて貰う!」
と商人の1人が逃げ出したタイミングで
他の商人達も逃げ出したが
蠍型の巨大モンスターがそれを許さない
奴隷商人の頭領を含めた一団はほぼ壊滅し
少年は吹き飛ばされた
左足に馬車の木材の破片が刺さるという
怪我を負って少年は意識を失った
「坊や!
...どうも嫌な予感ってのは、当たるもんだね」
カルラは1人では歩けないし
先程の蠍型の巨大モンスターの攻撃で
壊れた馬車の下敷きになり右足が潰れていた
這いずり手探りで少年を見つけ抱き寄せ考え込む
(考えろ、あまり見えないけど
かなり大きなモンスターがそこには居る
私に魔法は使えないし
武器も無い、そもそもまともに立てもしない
私と坊やが両方助かる道は恐らくない
それでも坊やを諦める訳にいかない)
「...もうこれしかないか」
カルラは自身の親指を噛みちぎり
地面に血で円を描き逆五芒星を描き出した
俗に言う悪魔召喚の儀式だった
そうして悪魔が呼び出された
タキシードに黒いマントを羽織っていて
黒髪が耳にかからないくらいの
男性的な印象の悪魔だった
その瞳は赤く中心が緑に光っており
周りをキョロキョロしながら召喚者を探し始める
そしてカルラを見つけて問いかける
「汝が我を呼び出したのか
して汝の願いは?」
カルラはモンスターを倒す様に願ったが
「それでは代償が足りない
追い払うだけなら
汝の命だけでどうにかなるが
倒すとなるとその小僧の命も必要になる」
その言葉にカルラの少年を抱きしめる力が強くなる
「なら追い払うだけでいい!
この子はダメだ!絶対に!」
悪魔は願いを聞き入れモンスターを追い払う
その間にカルラは少年を叩き起こす
「起きな!坊や!」
初めてカルラにビンタされた少年だったが
それ以上に目の前の状況に驚いていた
「なにあれ!?
...ってカルラ!足が!」
カルラの右足は馬車の下敷きになっていた為
ぐちゃぐちゃになっていた
少年はそれを見てどうしたらとあたふたしていたが
カルラからすればそんな事はどうでもいい
「いいかい!坊や!
ここから東に進んで昨日いた村まで戻るんだ
あの村は“ルア王国の庇護下”にある村だから
首輪がない今なら誰か助けてくれるはずだ!」
奴隷商人が死んだ影響で
魔法がかかっていた首輪は
音もなく崩れ去っていた
悪魔がモンスターを追い払い
カルラの元に戻ってくる
「さて、最後の別れは済んだか?
それでは代償を頂くとするか」
カルラが悪魔のマントに吸い込まれて逝く
「坊や!
坊やは絶対!死ぬんじゃないよ!
アンタは希望なんだ!強く生きな!」
「嫌だ!カルラ!
待って置いていかないで!
...置いていかないで...母さん」
その後、悪魔は姿を消した
少年は独りになった
少年の左足には木片が刺さっていたが
そんな事気にも留めない様子で
呆然と立ち尽くしていた
「...母さん」
(坊やは絶対!死ぬんじゃないよ!)
その言葉を噛み締め少年は
昨日いた村へと歩みを進める
次第に日が暮れ少年は大岩の側で眠りについた
その日、少年は夢を見た
そこには自身の母であろうカルラの背中が見えた
少年は側に行こうとするが見えない壁に阻まれる
カルラであろう背中はどんどん奥へ進んでいく
「母さん!待って!行かないで!」
するとカルラが振り返る
その姿に少年は息を呑んだ
目の傷も足の傷も焼け爛れた跡も無く
赤い髪に赤い瞳の綺麗な女性がそこにはいた
(ありがとう坊や
私を母親と呼んでくれて
...でも言ったろう?
坊やは死ぬんじゃないよ
強く生きていくんだ)
そこまで言うとカルラは泣き顔の様な笑顔で
(私は坊やの成長が見たかったけど
それは贅沢な事みたいだから無理だけど
それでもやっぱり...見たかったなぁ)
その言葉に少年はカルラをじっと見つめ
「母さん!
これからの事はわからないけど
貴女といた8年間、僕は幸せだった!
それを心に刻んで僕は生きていくよ!」
そこまで聞くとカルラは満足そうな表情で
(そうかい、ならよかった
...そろそろお別れみたいだね
最後の言葉は何がいいかな
そうだ!これにしよう!
坊や!いってらっしゃい!)
その言葉を皮切りにカルラは光に包まれていき
少年も目を覚ました
「母さん...いってきます」
母との別れは辛いものだが
少年は前に進んで行くしかない
その夜はしっかり睡眠をとり
少年は翌日に備えた
目が覚めると少年は身体が冷えている事に気付き
身体を擦って温める、左足に刺さった木片を見て
(コレって抜いて
ほっといたら治るのかな?
そのままじゃ痛いしなぁ)
少年は意を決して木片を抜いた
「痛っ...」
血が垂れるが少年は傷を塞ぐ物を持っていない
仕方なく服を千切り傷口に当てて歩き始める
荒野が広がり砂嵐が吹き荒れていて
少年は途中よろけたり転んだりするが
昨日来た道を戻る
少年は左足を引きずりながら歩いて
暫くすると左足の痛みが消えた事に気付く
(ん?痛くないな
治った?いやそんな事ないよな)
左足の木片が刺さっていた箇所が膿み始めていた
少年は傷口に当てていた破れた服を剥がし
一緒にくっ付いていたカサブタを剥がした
ブチュ!ドロドロと血と膿が流れる
少年は少し痛がるが少年は
膿を出した方が良いと思っての行動だった
それでも少しずつ足の肉は腐り少年を蝕んでいった
少年は諦めず歩みを進めて
少しずつ、少しずつ来た道を戻っていった
少年は東へと足を引きずりながら進む
「アッツイ...」
奴隷だったとはいえ日中に休みなしで
少年は歩き続けていた
カルラと別れてから2日が経とうとしていた
少年はようやく村を見つけた
が、希望は絶望と共にやってくる
少年の背後から咆哮が響く
少年が後ろを振り返ると
2日前に悪魔が追い払ったはずの
蠍型の巨大モンスターがいた
その光景に少年は焦り走った!
足の傷は悪化するが気にしてはいられない
左足の傷、そして膿による鈍い痛み
更には蠍型の巨大モンスターの咆哮が頭に響く
少年は必死に村に向かう
あと数メートルという村の入り口の目前で
少年は更に絶望する事になる
「門を閉めろー!!!」
そこの村長が指示を出して門が硬く閉ざされた
「くそッ!」
少年は門を何度も叩くが反応は無い
少年は門を背にして
蠍型の巨大モンスターと対峙する
蠍の毒が垂れ地面が焼けていくのを見て
少年は死を覚悟した、その時だった
遠くから風を切る音と共に何かがやってきた
ザクッ!ドサァ!
「ギャァァァァ!!!!」
モンスターの叫び声と共に
蠍のハサミの部分が地面に落ちた
「これは着地が難しいな
そんな事より...
大丈夫か!少年!」
そこに居たのは銀色の髪が腰まで伸び
カルラも綺麗だったがそれ以上に綺麗な女性で
瑠璃色の装飾がある剣を持ち
白銀の鎧を身につけており
背中には獅子の紋様のマントを羽織っていた
「ヴィクトリアー!待ってー!」
「相変わらず、無茶苦茶だなぁ...君は」
遅れてやってきたのは
長い金髪をオールバックにし後ろで束ね
ローブに杖を装備した
おそらく魔法使いであろう男性と
茶髪のショートボブの猫目が特徴的な
短剣にバックラーと斥候が得意そうな
冒険者の女性だった
「まぁ、まず間に合ったからな!
これはこれでよし!
ユージーン助かったぞ!」
ヴィクトリアと呼ばれていた女性が
魔法使いの男性に声をかける
「でも、ヴィクトリア
さっきのはかなり
危険だから本当はやらないんだからね?」
「そうよヴィクトリア!
アンタだったから大丈夫だったけど」
「そうか?
今度コレットもやってみるといい
着地は難しいが結構楽しかったぞアレは」
冒険者の女性はコレットと呼ばれていた
「ギィィィィ!!!」
モンスターが叫んだ事で3人は戦闘体制に入り
「相手は毒持ちのモンスター!
いつも通りアレでいく」
コレットが煙幕用の火薬が入った瓶を複数投げ
モンスターの視界を奪い
ユージーンが風魔法で尻尾の毒針を切り裂き
ヴィクトリアが残ったハサミを切り裂く
トドメをヴィクトリアが刺して
モンスターは倒された
「大丈夫か!少年!これは奴隷服だな
だが首輪がない、どうしたものか...」
ギィィィと村の門が開き村長が出てくる
「これはこれは
ルア王国近衛騎士団の
副団長様とお見受けしますが
こんな辺境の村になんの御用でしょうか?」
平静を装っていたが背中には冷や汗をかいていた
「なんの用かだと?
私達は王命でこの後、龍王国に行く予定だ
だが、道中でそこの少年が
モンスターに襲われているのが見えてな
村に入ったらユージーンが
魔法で攻撃する手筈だったが!
な・ぜ・か!?無情にも門が閉まってな!
急いでユージーンの魔法で私を少年の所へと
吹き飛ばしてもらったんだ
村長わかっているだろうがこれは違反行為だ
ルア王国の庇護下にあるこの村は
モンスターが出た時に
しっかり対処してもらわなければならない
ましては少年を見捨てて籠城していい筈がない
これはしっかり国王に報告させてもらう」
そんなぁ...と村長が膝から崩れ落ちた
おそらく報告後に納税額が増えるのだろう
「あの...ありがとうございます」
少年がヴィクトリアにお礼を言うと
ヴィクトリアは少年の左足の膿を見て
「コレット、ナイフを出してくれ」
「えぇ、新品なんだけど...」
だからいいんじゃないかと
ヴィクトリアがコレットからナイフを貰い
「ユージーン、酒を取ってくれ」
ヴィクトリアがユージーンから
酒を貰いナイフと少年の足にかける
そして...
「痛いぞ」
傷口にナイフを刺して木片と膿を取り除く
「ゔっ!」
少年は久しぶりの痛みを感じ
涙目になっていた
破片を取り除き更に酒を患部にかけて
「よく耐えたな偉いぞ」
ヴィクトリアは少年の頭を撫でる
そして傷口に薬を塗り包帯を巻く
「ヴィクトリア
そんな、いきなりやらなくても
私の治癒魔法もあるんだから
痛みが少ないやり方だって...」
ヴィクトリアが言葉を遮り
「足の肉が腐って膿が溜まっていたんだ
骨に達する前に切除する必要があった
最善がこれだっただけだ」
ユージーンが治癒魔法をかけて痛みを緩和していく
「大丈夫だったかい?
こちらの女性はヴィクトリア
私はユージーン
そこの女性はコレットって言うんだ
それにしてもよく頑張ったね」
村に入りヴィクトリア達は宿に泊まるために
宿屋と向かうとコレットが3部屋借りて
ヴィクトリアと少年が同じ部屋になった
少年を寝かせヴィクトリアが
少年を看病する様に椅子に腰掛ける
それを見たユージーンとコレットが
「ヴィクトリア
少年が気になるのはわかるがここは割り切って」
「そうよヴィクトリア
私達は王命で来てるんだから
可哀想だけど孤児院に預けて」
ヴィクトリアが2人の意見を無視して
「連れて行けばいいじゃないか
それにこの少年は...メイベルの弟にする」
メイベルとはヴィクトリアの娘の事である
「えぇ!?メイベルちゃんの弟!?
何言ってんのヴィクトリア!?」
コレットがすごい剣幕でヴィクトリアを
説得するが、ヴィクトリアは両耳を塞いで
頑なに聞こうとはしなかった
それを見てユージーンは
諦めて自分の泊まる部屋に戻っていった
暫くコレットの説教が続くが少年の心配もあり
あまり大きな声で説教は出来ず
仕方なくコレットは自分の泊まる部屋に戻った
ヴィクトリアが濡れタオルを貰ってくる時の
扉の開閉音で少年は目を覚ました
「すまない起こしたな」
少年が起き上がると
「ありがとうございますベットまで」
そこまで話すとヴィクトリアは
少年をじーっと見つめて
「あの?何か?」
「いや、5歳くらいにしては
しっかりしているとおもってな
娘がそのくらいの頃は
もっと...ワガママだった気がする」
ヴィクトリアに娘がいる事も驚いたが
自分が5歳に見られてるのが少年には驚きだった
「あの、僕
こう見えて8歳なんですけど...」
「そうなのか!?
それにしては身体が小さいな
この後、食事を貰ってくるか」
ヴィクトリアがスープとパンを貰ってきて
少年が食べる
「おいしいです...」
涙をポロポロと流しながらパンとスープを食べる
ヴィクトリアが少年が食べ終わるのを待ち
少し話をする
「元々は奴隷商人の一団にいたんです
でも今日いたモンスターに襲われて
逃げてきたんです」
「そうか、大変だったな
そういえば少年の名前は?」
「名前はないんです
近しい人からは坊やと呼ばれてましたし
他から呼ばれる事もなかったので」
奴隷の子供は孤児院に行く時に名前を決める
それに慣れる為にカルラは坊やと呼んでいた
「そろそろ寝たほうがいい
明日の朝食は早いとコレットが言ってたからな」
ヴィクトリアが少年をベットに寝かしつけ
濡れタオルを変える
その際にヴィクトリアは
少年と出逢ってから感じていた
魔力量の多さに改めて感心する
「にしても
すごい魔力量だな
魔法が使えない私でもわかるくらいの量か
にしても名前がないと不便だな」
ヴィクトリアが暫く考え込み
ちょうど夜が明ける頃にまでなっていた
「...夜明けか
夜明け
長いなブレイクの方がいいか」
ヴィクトリアが少年を“ブレイク”と名付けた




