4.つまづいてしまった時は、絆創膏ではなくバンドエイドをつけるとすぐ治ります
オーナーの提案に西郷は乗り、まだ開店していない店の厨房へ移動していた。
幸い、店自体は完成していないが、厨房はいつでも調理可能な状態である。
ガスコンロが3個に、野菜などをカットする部分は大きめ、水道は浄水と水道水に分かれたもの、冷蔵庫•冷凍庫は業務用、食器洗浄機常備…
飲食店としては十分な設置であった。
「その女性には何を作ってあげようと思っていたのですか?(´-`).。oO」
十分な食材をもった西郷の料理に、オーナーは興味があったため質問をしてみた。
「…その女の子はOLの方で、夜は店で買ったもので済ませていると聞き家庭的な料理を作ってあげようと思っていました。
味噌汁ではなく、酸味のあるミネストローネ、パスタはトマトはスープに使っていたのできのこを使った和風パスタ、副菜としてキャロットラペを…
まあ、意味なかったですがね」
元気なく笑う西郷。
「野菜不足のOLさんには良いメニューだと思いますね。(´ー`)
さすが調理に携わっていた料理人です(´∀`)」
「…元調理系の仕事をしていただけで、料理人ではありません」
否定した西郷は発言を続けた。
「料理人とは、ただ料理をする人ではありません。
食材の管理、
季節を考えたメニュー作成、
食材コストを考える、
厨房、ホールのコミュニケーション、
その店に合わせた料理の味付け、_
そのどれもを完璧にこなして、美味しい料理を作る、それが料理人です」
「今の私には全てを完璧にこなすことはできず、
技術も未熟、
…それに、私がする調理の味、食材の下処理•味付け、盛り付け…
何件も勤めた飲食店全て、料理長にはずっと認められませんでした。」
「それで私は料理人としての仕事はやめよう、
そう決めて退職し、新しい職を探していました。
…どんなに料理が好きでも、お客様に満足してもらえないのでは、この仕事を続けていくことはダメだと思い…」
「うーん…|( ̄3 ̄)|」
西郷が話したこれまでの職歴、そして自身の不安面を聞き、オーナーは疑問に思いながら聞いていた。
「完璧な人はどこにもいませんが?|( ̄3 ̄)|」
「私が思うに、あなたは完璧を求めて勝手に自暴自棄になっているだけに思います(>_<)
…少し勝手なことを言いますが、
逃げずに向かい合ってみませんか?」
こういう人は世界には何人かいる。
自分の才能を認めてもらえず、自分に自信がなくなっている人を…
自信がなくなった人がとることは、気にせずそのまま続けていくか、
それとも、西郷のように 逃げて しまうか…
「…逃げる…。
まあ、向かい合って仕事をする。
…なんでかっこいい生き方なんでしょうね。
でも、私は無理だと思いますよ?
そこまですごい人間ではない。
そんな頑張って仕事をする元気も才も、全くありませんから」
「…それでは、仕事 ではなく、ゲーム をしてみませんか?(^ω^)
私にオムライスを作ってください(о´∀`о)」
「いやいや、旦那さん、話聞いてましたか?
僕はお店で料理は作りたくないのです。
オムライスだって、作るのは久々だし、初めての厨房で料理を作るなんて…」
うだうだ弱音を吐く西郷に、オーナーは続ける。
「もし、私が美味しいと感じましたら、
素敵な女性を紹介しましょう(`・ω・´)」
「余ったご飯などありますか?」
間髪を入れず西郷はオーナーに質問し、
フライパンを片手に、ボール、菜箸を準備し、作成の準備を早めた。




