1.池袋にあるオムライス屋さんはビーフシチューかけてるのが美味いのは間違いない
東京池袋の駅前には公衆喫煙所がありそこでタバコを吸うのが休憩中のルーティーンである。さっきセブンイレブンで買ったライターでお気に入りのセブンスターに火をつけ1吸。…もうこれ以上の極上はない。
今日は5月の平日ということもありそんなにお客は来なくて良かった。客商売でこんなこと言う人は終わっていると思うが、当たり前に何もせずお金が入ってきて欲しい気持ちでいっぱいである。
灰をすてまた1吸。今日の天気は曇り、客足が一番わからない天気。晴れはめっちゃくる、陽キャなのかコスプレイヤーなのかこぞって街に繰り出してくる。雨はあまり来ない、雨の日に外出たい人なんてライバルに負けて雨で涙を隠している漫画の登場人物くらいだろう。そんな中曇り。ちょっと太陽が雲から顔を出したり、また雨が降りそうな雰囲気も醸し出している訳わかんないやつ。そんなんだから人もお出かけする人と引きこもる人といてよくわからないんよ。なんか湿気で体もきもちわりいし。本当気持ち悪い天気だな。
灰をすて1吸。私の職場は現在在中している喫煙所の前を通り、薬局の前を通り、ヤマダ電機を通ってゲームセンターを通らずに右。直進すると喫煙所が見えるとそこを左折。そのまま路地を歩くと開けたところが一気にザ、街って感じになってるところらへんにある。池袋で遊ぶ人はやはりそこにたどり着いた利する人が多いのでアリのように前進している。その前進の流れにスーパーで捨てられたチラシのように右へー、左へーと何も考えずにフラフラしているとこの池袋駅前の喫煙所につくのである。労働後はとりあえず考えずに休憩すること、それが仕事をうまくやる秘訣である。
もう1吸、と思ったがタバコのHPがないためくしゃくしゃポイした。この行為をするときはいつもこのタバコの命を刈り取るが如く念入りにやる。自分のせいで火事になるのも嫌だし。そんな感じで飯の後の一服も終わり。この後の仕事も店の後片付けとフロアの清掃で終わり。本日の私のHP的にも半分くらいの余裕はあるのでスッとタイムカードが押せそうでホッとしている。
私のお店は変わっていて、昼か夜、どちらかの営業をする飲食店である。昼夜どちらもやれば良いじゃないかと思う人がほとんどだと思うが、そんな方々に伝えたい言葉がある。…黙ってろ、だ。そもそも飲食店は作って終わりじゃない。片付けも、食材の仕込みも、フロアや厨房の清掃も全部店の人がやらないといけない。魔法使を頼んだり、戦士を雇うと言う選択もある。ただ金である。ただ人件費である。ただ資金はそこまでないのである。
そんな作業をランチの後、ディナーの後にするとしよう。時間が足りず、作業量も多く、人も足りず、従業員が疲弊する。まさにブラックがこちらをのぞいている。なのでぜっったいにだめだ。
…と言うことをオーナーに私がなんとか話しこの営業形態にしているのである。というか、なんとしてでもこの営業形態でやって欲しいのである、こんな楽な飲食店はないのだから。
一応私はこの店で立ち上げのメンバーとしてやっているため少しは話が通る。他のメンバーは前職は調理師とは違う職種の人たちばかりなので、この調理師である私の意見は割と通ってくれる。
ここで働かせてください、高校生の千尋でもきっとバーバを振り切ってこっちにくる雇用形態だろう。だからこのままでいきたい。
そんな雇用形態に満足したことを頭の中で考えているうちにウチの職場に着く。地下へ行く階段をおり扉を開けると、上についている鐘がカランコロンとなって人がきたことを店中に知らせる。ばっと見慣れた従業員がドアに集中するのは予想通りだったが様子が違う。円陣を組んでその中心に見知らぬ顔がいたのだ。
「魔王ホテルの厨房から参りました、遠藤周作です!こちらのレストランをもっとより良いものにしたいと考えこちらに本日から入らせていただきます!よろしくお願いいたします!」
カランコロン。鐘の音の後に頭からじわっと疑問が響き渡った。何故こんなハイスペ調理人がここへ?いやいやいや、ここでその技術は絶対に使わない。メイド喫茶やぞ??
…失礼、こちらのお店の紹介がまだでした。
ここは池袋にあるメイド喫茶、「毎度喫茶」雇用形態がとても楽で居心地が良い飲食店…であった。




