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難しいひとだったから

「あんた、ひとんちのもん勝手に捨ててなにしてんの!」

「驚かせてすみません。私はT村の親戚で、今度ここに越すので片づけていたんです」

「勝手に捨ててまたT村さん怒りはったら――」

「ちょっと! ごめんなさいねえ、このひと変わっとるから」

「はあ」

「引っ越してきはるん。良かったわあ。あなたみたいなちゃんとしたお嬢さん来てくれはったらT村さんも安心やわ」

「いえ、その大叔父は……T村は三年前に亡くなりました。晩年は病院と施設を往復していたので、ご存じないかもしれないのですが……」

「私は慣れたんやけど、うちの子が怖がって。朝晩の御線香、ちゃんとあげたってな。T村さん難しいひとやったから私らも大変で――……」

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