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サイレン

 サイレンの音が聞こえていた。

 夜風に靡くリボンのようによじれながら。

 今度は間に合いますように。

 短く祈り、私は再び眠ろうとしたが、音は大きくなっていった。すぐに耳を澄ます必要はなくなり、ブラインドの隙間から赤い光が漏れた。車のドアが開くガッという音がして、無線の灰色の音と男達の急いた声が続いた。

 隣か。向かいか。訝しみながら廊下に出ると、開け放たれた玄関から赤い光が射していた。担架を抱えた救急隊員を女が啜り泣きながら迎え、脱衣所です、と呻いていた。脱衣所のドアの前では男が一人蹲っていた。救急隊員達は立ち竦む私をスッスッとすり抜け、男のもとへと向かった。間に合うようにと祈り、私は目を閉じた。


2021/11/6 第81回#Twitter300字ss @Tw300ss お題/救い

//ヒートショック危険

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