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MAGINIGHT~魔神とその環境を取り巻く者達のお話~  作者: U-1
序章 運命の出会いの日~The Wizard God AND The Funny Guys~
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第60話 集まってきた大人達

「異議有れええええええええええええええええええええええええ‼‼‼‼‼」

「あ、起きた」


死に体だった先程とは打って変わって、突如叫びながら跳び上がる竜道寺流浪。

竜道寺流浪は急に変化した景色にハッとして、周囲を見渡す。

此方を安堵したように見る吸血鬼。

何故かちょっと残念そうに見てくるスーツ姿の男。

白目を剥いて気絶している鳳凰学園の制服を着ている女生徒。

そんな女生徒の頭を暇してるのかペチペチと叩いて遊んでいる黒い体毛の大型犬。

そして、


「ドヤァ」


何故かドヤ顔の生徒会長。


「チェー」


何か口を尖らせてる、流浪の記憶では国立魔法大学附属高校の学生服を着た男。

・・・・・・状況が全く分からなかった。


「四季島(こっち)側に来たんだから文句ねぇよな?」

「しょうがないかぁ」


竜道寺流浪が跳び上がった際に神爪勇人側に移動した為、竜道寺流浪の扱いは四季島側・・・つまりは神爪勇人が受け持つ事になる。

そんな意味を込めた神爪勇人のドヤ顔で、氷室凍夜も仕方ないと肩を竦めて諦めた。

元々降って湧いた程度の話で、そこまで残念がってもいないが。


「あ? え? ん? どういう状況だ!?」

「お前、死んで、生き返った。OK?」

「何で片言? あー、まぁ、何となくわかった」


細かい事は分からないが、生き返った理由は既にザックリと赤い竜から聞いていた為、竜道寺流浪は取り合えず神爪勇人の説明に納得しといた。

・・・・・・それでも現状はよく分かっていないが。


「ま、細かい事は後で教えてやる」

「今じゃ出来ねぇのかよ?」

「ちょっと面倒な奴らが来たからな」


神爪勇人の言葉に、竜道寺流浪は氷室凍夜と東雲に目を向けるが、彼らは「いやこっちじゃなくて」と手を振って否定する。


「本島(むこう)の方だね」

「四季島(こっち)からも来てるが」

「・・・・・・どういう事だよ」


意味不明な竜道寺流浪だったが、彼らが向けている視線の先から聞こえてきた音と光に理解した。

赤い光とサイレンの音。

そして機械のエンジン音。

日本本島の方から見えるのは4台の白いバイク・・・・・・県警の機動隊。

壊れて所々割れている橋の上を、可変式二輪車のタイヤからホバー式へと切り替えて、空中を走ってくる。

四季島から近づいてくるのは1台の黒塗りの装甲車・・・・・・四季島治安維持組織『警察騎士団』の警備課。

空気中の霊子を一時的に固めて道を創り出す術式【光道(ライトロード)】を進行先に展開し、破損している橋の上を安定して走っている。

到着した白バイの隊員達は急ブレーキで止まり、バイクから降りると隊長と思しき男は神爪勇人の姿を見て嘆息し、部下三人はその腕に付けている機械を操作する。


「「「マギカロイド転送‼」」」


ウェアラブルデバイスを操作して、機動隊員達の前に魔方陣が展開され、その方陣の中心部に高さが1m程の人型の機械が出現する。


マギカロイド。


界交歴を迎えて、既存のアンドロイド技術に魔法技術が合わさって地球で開発された現代のロボット。

警官とパトカーを合わせたようなデザインは、警察で正式採用されている暴徒鎮圧にも使われている高い制圧力を持つマギカロイド。

それらの右腕に備えられている銃口が、神爪勇人達に向けられた。

ギョッとする竜道寺流浪だが、隊長の男が手を挙げて隊員達を制止する。

【光道(ライトロード)】を駆け抜けて現着し、3人の男が装甲車から降りてきた。

生真面目そうな眼鏡をかけた男は神爪勇人を睨み、クセっ毛の強い髪型をしたワイルドそうな男は苦笑を浮かべ、オールバックな髪型をした中年男性は見るからに不機嫌な顔を浮かべていた。

警察の機動隊隊長と、警察騎士団の警備隊員が其々神爪勇人に歩み寄り、


「どうも、お二方。どうしたんですか? 雁首揃えて――――――」


――――――ゴスッッッ‼‼‼‼‼っと。


とても重い音を立てながら、二人は無言で神爪勇人に拳骨を食らわせた。

殴られた勢いで顔面から倒れて道路へ打ち付け、コンクリートが罅割れる。


「っておい! んだよいきなり!?」

「何で無傷なんだよ・・・・・・」

(鼻血出したり首を切ったり無傷だったり、耐久力どうなってるのかしら・・・・・・)


ガバっと立ち上がる神爪勇人に、竜道寺流浪が呟き、エリザが内心で呆れた。


「黙れこの馬鹿! また妙なトラブル起こしやがって‼」

「違ぇよ! 俺様は起こしたんじゃなくて止めた側だっつーの‼」

「そこは日頃の行いだな」


警備隊員・・・ザムエルが詰め寄り、機動隊長・・・牛島は呆れつつ殴った手を思いの外痛かったので擦った。


「まぁ、そこまで責めなくても、町や国を如何こうする奴じゃないでしょーよ」

「どうだかな・・・・・・」

「捜査官の2人まで来たんですか」


片方は理解を示した風に、もう1人は怪訝な顔を隠さずに寄ってくる。


「急に大所帯になりましたねぇ」

「・・・・・・魔術協会お抱えのアンタが此処にいるって事は、そっち側のトラブルかい?」

「まぁ、そんなところです」


牛島が見慣れない人物・・・・・・鳳凰学園の制服を着ている生徒2人を見てから、エリザへ視線を移す。

もはや原形を留めていないズタボロになったドレス。

一瞬、婦女暴行の単語が頭を過るが、そんな敗れたドレスから覗く彼女の肌には傷らしい傷も見えない。

何より彼女から発せられている独特な魔力の波動。

そしてこの場に現れたドラゴン、崩壊寸前の橋、四季島と本島の境目のこの場所と、魔術関係者に氷室凍夜(ブルコス)関係に神爪勇人(バカ)と、面倒事にしか感じないラインナップ。

牛島は疲れたように深々と溜息を吐いた。


「機動隊(こっち)の用件は二つだ。一つはさっき上空でお前らと一緒に暴れてたドラゴンと、この橋にかけられてた結界についてだ」

「警察騎士団(こっち)も同じ用件だな。ドラゴンも結界も消えちまったが、解決って事でいいのか?」

「俺様が説明する感じか? ドラゴン、竜道寺流浪(コイツ)。結界張った奴、逃走。OK?」

「何で片言なんだよ」

「話せ、一から」

「えぇ・・・・・・」


日本本島と四季島という治安維持組織双方から詰められて、神爪勇人はめんどくさがりながらもここまでの流れを説明した。

まず神爪勇人が東雲からエリザを保護する依頼を受けたこと。

エリザを襲った奴がいて、そいつから四季島へ逃げ込もうとしていたこと。

その場に竜道寺流浪が遭遇して、エリザを助けに入るが返り討ちにあって死んでしまったこと。

ついでに天使縁寿がプルートを追って橋まできて、何か気絶したこと。

そこで神爪勇人が降臨し、竜道寺流浪を殺害しエリザを狙ってきた奴を撃退したこと。

氷室凍夜が面白半分に乱入してきたこと。

エリザが竜道寺流浪を蘇生させたが、それがドラゴン化してしまったこと。

それと神爪勇人と氷室凍夜が熱戦・烈戦・超激戦。

最後に東雲が介入して三者をボコって戦闘停止。

みんなやって来て今ココ――――――


「――――――ということだ」

「その娘を狙って、お前が追い払った奴が、結界を張った奴ってことだな?」

「そ」

「それで、ドラゴンになっちまったその坊主は異世界連合(クロス・ユニオン)の方で受け持つと?」

「そそ」

「・・・・・・その娘の素性とかは詮索しない方がいい感じか?」

「そーそ。ま、俺様も察してるだけで、まだ説明されてねーけど」


みんな(気絶してる天使縁寿以外)の視線が東雲に集まるが、彼はどこ吹く風だ。

眼鏡捜査官が嘆息しつつ、その眼鏡をかけ直す。


「警察騎士団(こちら)としては、主に調査を目的として来た。事態がほぼ解決しているのなら、これ以上介入する理由は無いな」

「ドラゴンも消えたしな」

「だが神爪、結界の影響で交通を始めとして色々影響が出てんだ。報告は後で警察騎士団(こっち)にも上げて貰うぞ」

「無論、日本警察(こっち)にもな」

「分かってますよ」


双方の警察組織から睨まれながら、神爪勇人は肩を竦めつつ了承する。

そして、ふと思い出す。


「そういや、用件のもう一つってのは?」

「ああ、それは――――――」


――――――唐突に空気を震わせる、飛行機やロケットの様なジェット音が遠くから聞こえてきた。


「ああ、軍まで来たようですね」

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