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遭遇-4

数分後に二人の痴話喧嘩が一段落ついた為、私は再度黒木がなぜ私の性別が女である事を知っていたのかを聞くのだった。すると、黒木は蔵鮫に抱きつかれながらこう話すのだった。


「まず最初に、俺は蔵鮫の専属メイド…………まぁ、使用人だが、元は一般組だ。だから必然的に使用人が通う学園に通ったんだが……………そこで出会った師匠から聞いたわけだ。」

「…………………使用人関連で師事される事ができる実力がありそうなのはセバスくらいしか思いつかないんだが…………。」


だが、セバスがこの事を軽々しく口に出すとは思えない。実際、セバスは余程信頼できる人間にしか話していないと言っていた……………つまり、黒木の師匠はセバスにとって信頼する事の出来る男だったのだろう。


「あぁ、俺の師匠はそのセバスという執事の兄だ。聞いたことが無いのか?有名な執事らしいんだが…………。」

「………あるかもしれない。確か冗談だと思って聞き流した話…………財閥のパーティーで現れたテロリスト全てをたった一人で犠牲者を一人も出さずに殲滅したって噂の兄とやらを…………。」

「まぁ、出会い立ての師匠は俺が蔵鮫と男の友情的な感覚でずっと一緒にいたいという気持ちがあるという事を言ったら『弟から聞いたんだが、黒華鉄 剣城って子は男のふりをした女の子だからそこに婿に行って蔵鮫家と付き合えば良いんじゃないか?』と言われたんだよ。」

「……………………まさかそれが知ってた理由なのか……………?」

「そうなるな。って、首締まる!!首締まるから!!締め上げるのは止めろ!!」


蔵鮫が黒木が自分以外の女と結婚しようとしていたというジェラシーからか、抱きつく為に使っていた腕で首を軽く絞めていた。………………まぁ、私が乙女だったらこの行動を起こす感情も分かるのだろうが、生憎私はそんな感情は理解できないらしい。


いや、女としては終わっているかもしれないが、その分胸焼けするのが多くならないので何の問題も無いのだ。なぜなら中学時代にカップ麺の熱々の汁を飲んだ後の様な感覚を何度も味わう事のない体だからね。こんな性格の自分に感謝できるなぁ、うん。


「……………………で、今度はこちらが情報を出す訳か………。って、ランタンはギルド登録すんだんだね…………。ここに来てたのに気付かなかったよ。気配の消し方上手だね………。」

「いえいえそんなマスターの褒め言葉が貰える程の特技ではありませんしこの位なら誰でも出来るようになるレベルですしそこにいるメイドさんもコツさえ掴めばこの何倍も気配を殺せますからごめんなさいこんな所ででしゃばってしまって………」

「………………え~っと、この子が剣城ちゃんのガチャで出たキャラで良いんだよね?………………………少しオドオドしているけど可愛いなぁ……………。」


可愛いという言葉に顔を紅潮させるランタンを見ながら私は剣城ちゃんと呼ばれる事は決定なのか…………と嘆くのだった。ちゃん付けには違和感がありすぎるから慣れられそうにないなぁ………と思いながら私は二人の質問に答え始めるのだった。

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