遭遇-5
「最初の質問としては、お前はなんで廃教会から逃げたんだ?という事だ。あそこならクラリスがいるから団結は取れていたと思うが………」
「面倒だったんだよ。それに私は学園生活初日だったから、カリスマ性がどこまであるかとかが分からなかったんだよ。単独行動が許される可能性を信じるほど私は甘い考えじゃなかったし。」
下手なカリスマはかえってその場の空気を壊しかねないから、仕方の無いことなのだけどね…………。少なくともあの時の私にはあのカリスマ性がどう働くかが未知数だし、変な理想でも持たれていたら別の意味で争いが起きそうだったし。
「………………まぁ、長らく一般市民として暮らしていた人間が金持ちばかりの世界でカリスマを発揮している人間を自分が拘束されないような流れになるとは信じ切れないだろうしな………。」
「でも、クラリスちゃんはその辺もキッチリと対応しそうだけど………………。でも、クラリスちゃんがどんな人か知らなければそうなるかも…………。」
蔵鮫がやや悲しそうにこう言うが、正直あの場にいても色々あったかもしれない事は事実なので、本当はあそこに残っているという選択肢が正解でしたという事では無いだろう。私がそう考えていると、蔵鮫が私に質問してきた。まぁ、情報交換の順番は決めて無いからね………。
「じゃあ二つ目の質問に入りたいんだけど……………良いかな?正直これは物物交換みたいな物と思ってもらった方が良いんだけど…………。剣城ちゃんはお米なんかの転生前の世界の食材を持ってない?まだガチャから食料が出た事が無いから分からないんだよね……」
「ガチャから出て来たのがスキルばかりだったからな……いや、だからこそここまで来れたんだが。」
「………………そうか、大変だったな………。じゃあ質問の答えを言っておく。前の世界の食材は一応ある。米とかレトルトカレーとかは確認済みだ。」
そう言いながら私は米と『飯盒型炊飯ジャー』を取り出した。それを見て目をキラキラさせている蔵鮫と、驚きを隠せていない黒木は数秒間止まった後に、あるアイテムを取り出した。
「できればで良いのだが、その米を何合か譲って貰えないか?」
「まぁ、ここで生活していれば食べるものには困らない筈だから問題は無いけど…………一合だけで何をするつもり?」
私はそう言いながら黒木が取り出したアイテムを『鑑定』する。するとそこには私の持っている『無限の洗浄結晶』と同等のチートアイテムだったのだった。……………いやいやいや、なんですかそれは。チート級のスキルを自分で作って修得できるというアイテムって!!と思える私なのだった。




