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遭遇-2

「……………………なんで私が女である事を知ってるのかは知らないけれど、名前に関しては正解ですよ。………………あなた方の名前は大体予想はついていますが、確実な答えは知りませんけどね。」

「すまん、先に名乗るべきだったな…………俺は、黒木 一夜。蔵鮫くらさめ 宏海ひろみの専属メイドだな。…………いや、白い目で見るなよ…………。本当なら専属執事になるはずが執事の馬虎さんが未だに生涯現役じゃあ~って言うわ、優秀だから他の家には行かせたくないだとかで仕方なく専属メイドになったんだよ………。」


…………………黒木の方は使用人というわけか…………。まぁ、黒木という名前は黒華鉄財団の御曹司時代に聞いたことが無い名前だったので当然かと思ってしまう。一応帝高校は優秀な使用人に限り供に通学することを許しているからなぁ。まぁ、制服は着られずに使用人の服のままだから見分けは付くけどね。


「一夜、違うでしょ!!今の私と一夜は婚約者同士なんだよ!」

「それはお前の勝手な思い込みだ。一回死んだとしても俺とお前は主従関係である訳だからな。主と結婚しようなんてできるわけないだろ。」

「でも小学校五年生の頃にプロポーズしてくれたよね?『お前の傍にずっといてやれるようにする』って!!」

「それは友情からだっつーかお前が女だと公言しなかったのが悪いんだよ!!俺はお前が男だと勘違いしていたから男の友情は永遠に続く的な感じだったんだよ!!」

「でも父さんも母さんも認めてくれてるから後は一夜の気持ちだけだったんだよ?まぁ、ここなら事実婚という事にできるからね~。」

「……………ったく………まぁ、勝手に事実婚と言うのは良いけどな…………………。だが、これ以上俺の尊厳が無くなりそうな事はするな。」

「一夜コレクションを没収してその言葉なんてあんまりだよ!!一夜は婚約者が自分に夢中になるのが不満なの!?」

「やり方が不満なんだよ!!なんで使用済みの下着を嗅ぐんだよ!!多分そこの元令嬢の黒華鉄も引いてると思うぞ………。」


…………………………その言葉は事実だよなぁ…………と思いながら私は二人の事を『鑑定』してみる。……………しかし、なぜかブロックされてしまった。………………少なくとも転生者には使えないスキルでは無いという事は美華で実証済みの為、私は痴話喧嘩している様にしか見えない二二人に向かってこう言うのだった。


「……………とりあえず場所を変えて話をしませんかね……………。色々と情報交換しておきたい事もありますし、ここでは目立ちますからね…………。私がなぜ女である事を知っているのか…………とか。」


私の言葉に二人は痴話喧嘩を止めてから私の提案に乗ってきたので、私はもう一度『ミアッペ山脈』へと入るのだった。二人は冒険者登録は終わっていたが、ランタンはこれからだった為、私はランタンに登録してから合流してと言うのだった。

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