初めてのG -2
私は次に『アシッドゼリムベビーの核』をコロンとウエストポーチから出した。いや、女性男性関係無く肌が荒れると痛いじゃないという意見からだ。まだ手袋や軍手とか持ってないしね。
「……………………これは、『アシッドゼリムベビー』の仮の討伐部位ですか………………。これはギルド経験値が100になる為、ギルドレベルを3にしておきますね。それと、買取額である800Gを渡しておきます。でも、よく核を潰さずに倒せましたね………」
「………………………一瞬の間にズバッと斬ってしまえば良いのでは?と思うのですが………………」
「一応ベビーでも『衝撃吸収』は持っていますから並の速さでは『アシッドゼリムベビー』の体を通る間に武器が溶けてしまうと思いますよ?どれだけ速いスピードで振ったんですか……………?」
いや、スキル『抜刀術』を覚えていたから分からないなあ……………まぁ、次の素材を出したら納得してくれたけどね。………………驚かれるのはさらに上をいったかもしれないけど。
「ここここここここここっこれは!!『ゼリムヘッドタートルの甲羅』ですか!!それに『ゼリムヘッドタートルの肉』も!!これ珍味なんですよね………。こっそり私が買ってしまおうか………ってすみません先輩そんな目で見ないでくださいギルドの皆で食べましょううんそうしよう。」
レベルの高かった『ゼリムヘッドタートル』の素材を買い取って貰おうとすると、彼女は酷く動揺していたので、強いモンスターだったのだろうと思い、そのモンスターの評判を聞いてみると……。
「『ゼリムヘッドタートル』は速度は確かに遅いですけど、防御力が異様に高いんです。その為連続攻撃でしか倒せない様なモンスターなんですけど………二発目を当てたが最後、攻撃した者はその『ゼリムヘッドタートル』の二倍は遅くなります。つまり、『ゼリムヘッドタートル』の餌食になることが多くなり、他の冒険者に助けられてから『タートル』すらも倒せなくなった人もいます。それ位のトラウマモンスターなんです。」
………………………つまり、一発目で首を出させて二発目で首を切れば、これ以上のカモモンスターはいないわけだ。…………まぁ、『抜刀術』があるからこんな事が出来たんだけどね…………。
「甲羅と肉で、3万5000Gになります。また、『ゼリムヘッドタートル』の討伐からギルドレベルを10にまで引き上げますね。一応、昇格モンスターというこのモンスターを倒した者は最低でもこのレベルまで上がるという特典付きのモンスターでしたから…。」
こうして、私のギルドレベルは10になった。……………ちなみに、『故人のスマートフォン』は査定の結果、2000Gで買い取られた。後日、それがオークションで金貨の袋が飛び交う事となったのは、また別の話だ。




