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迷宮の町・ラビネア-2

「『魔強木』の森に囲まれてから暫くして、王族達が逃げてしまったのか?と思うほど城から活気が無くなった。その時はまだ城が迷宮に取り込まれた事を知らなかったからな。それから当時の第二王子がボロボロの状態で現状を伝えてきた。」

「………………第二王子はそれから暫くは供にダンジョンを攻略しながら、王家の人間や城の警備をしていた兵士を助け出そうと奮闘したが、最初に逃げてきた時に背中に負っていた大きな傷から破傷風を起こして亡くなったんだ。」

「それから『ラビネア』は国では無く町に成り下がったわけだ。まぁ、今は冒険者の国『クレルグクセス』からの使者が来てこのダンジョンへ挑む人間を管理しているが……………そいつらは偶然『転移ポイント』の座標を間違えてここの町の近くに出て来ただけなんだ。…………そして、奴等はこのダンジョンの管理と攻略だけをやっていて、『魔強木』を切り落とそうなんて事はしていないんだよ…………。」


……………あぁ、あれか。いじめを見た教師がその場はおさえる事はするけど根本的な解決などはしないって奴か。……………まぁ、それでもまだマシ何だろうけどな……………。下手したら外からモンスターを引き込んでから転移で逃げるというMPKという行為をされたかも知れないし。


「でもなんか、『クレルグクセス』には転生者って名乗る奴が大量に現れたらしいぞ?なんでも「勇者の転生に巻き込まれた」とか言ってるらしい。」

「………………今、魔王みたいな奴とか邪神とかいないんじゃ無かったっけ?いや、そんな立場じゃ無い奴や国を魔王に例えるなんて事はよくありそうだけどさ。」


…………………………………いや、数十分ほど前に私達の命ってトイレットペーパーと同じかそれ以下という事を言った。それだけ価値としては低いのかと思ったが、あれだけくだらない理由で転生させられたならば、価値が低くなっても仕方が無いかと思うのだった。


「まぁ、『エンブラド』最後の勇者召還から今まで665年立っているんだ。仮にも勇者の国『エンブラド』が魔王を意味する数字の666年を勇者を召還しなかった年とするわけにはいかなかったのだろうさ。なんせ、魔王の殆どが『魔人』であってさ………その『魔人』とは和解しているんだからな。勇者召還するだけ無駄だと思うんだがな…………。」


………………………………なんか、巻き込まれたけれども勇者の町とかにいなくて良かったなぁ…………と思えてくる。下手したら反逆罪などの適当な理由をつけて処刑されたりだとか、都合の良い捨て駒と数えられたりしそうだしね。

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