第四話 第十二部 迫る勢い
バシーン! ストライクバッターアウト!
湯子「なんてピッチング…すごすぎるよ。」
またもや三者凡退、しかも三者連続三振。スリーアウトチェンジで私はネクストバッターサークルから戻っていった。完全に向こうのペース…相当ヤバイ、このままだと湯子は…打たれてしまう。
ギィイイイン!
みちる「なにこの打球は!?」
打球はみちるのいるライト方向へ。そしてグングンと伸びていく。初球からあんなにガンガン振っていってあんな所まで飛ばすの!?
ガシャン!
二番バッターがあの長打力、信じられない。しかも運が悪いことにみちるのいる所、あの子ってクッションボールが苦手だったはず…!
みちる「あっ、まって!」
ああ、犬みたいに追いかけている。これだからみちるは怖い部分がある。あれだけフェンスに当たりそうな打球はあらかじめ何処に飛んでいっても良いように構えて置くようにと教えていたはず。
みちる「もう!」
シュッ
しかしこの強肩がある。サードベースへと向かおうとしたバッターランナーはすぐにセカンドベースへと戻っていった。恵まれた体を上手くつかった送球だ。普通だったらスリーベースだけど。
湯子「ごめんみちる! 次は打たれないようにするから!」
みちる「大丈夫です! こっから抑えていきましょう!」
こんなピンチの場面でバッターは三番。そして巴美羽はあくびして守っている。なんて緊張感が無いのだろうか。でも…ヤバイ状況なのは変わらない…なんとかしないと。




