第四話 第二部 両親と湯子への思い。
監督「それじゃあスターティングメンバーを発表するわ。」
今回もいつもと変わらないスターティングメンバー。先発は…湯子。相手は強敵のアメリカ。私たちはここですべてをぶつけなきゃ…。私たちのソフトボールは世界一だということをここで勝って見せてやる。そして…優勝旗を両親のために…とってくる!
衣世「エースってあの子だろ。確かジャスミンとかいう名前だったよな。」
あの人がエース…いつでも投げる準備が出来ているようだった。そして…何よりも風格が人より違っている。巴美羽とは似た匂いがするというか…天狗ではないけど、雰囲気がある。
巴美羽「ふぅーん。」
由紀「何よ巴美羽。」
巴美羽「由紀ってさ…私と似てるよね!」
由紀「何よ突然! 全ッ然違うわよ! だって私は巴美羽みたいに練習サボったりしません! 私はちゃんと練習してます!」
巴美羽「そういうこと言ってるんじゃないんだよ。見えるんだろ、オーラが。」
由紀「……そういうことね。うん、見えるよ。」
巴美羽「こういう感性を持った人って始めてだよ。人によっては色まで見えるっていうけど…私には見えないわね。由紀は?」
由紀「雰囲気があるというか…嫌な感じがピリピリと伝わってくるね。」
巴美羽「ちょっと似てるかもだけど…やっぱり似てない!」
由紀「なによ!!」
夕菜「そろそろ試合開始よ!」
私たちはすぐにホームに集まる体勢をとった。いよいよ…決勝。
審判「礼!」
皆「しゃあ!!」
私たちは後攻になったので守備についていった。そして湯子は皆から声をかけられていく。
みちる「湯子先輩、お願いします!」
衣世「この前みたいなすごいピッチング期待してるぜ!」
夕菜「後ろは任せて!」
私たちがそれぞれ声をかけていく中、巴美羽だけ何も言わずに守備位置へと歩いていった。私は湯子の肩をポンと叩いて呼んだ。
由紀「頑張って。」
湯子「ありがとう。やっぱり由紀がいないとね。」
由紀「…私?」
湯子「うん。だって見ていると落ち着くから!」
由紀「ありがとう、それじゃ!」
私は湯子とグータッチして守備位置へと向かっていった。頑張ってね、湯子。




