第一話 第十一部 ゴルフスイング
巴美羽「ふぅ。」
なんだか独特のフォームで構えている。何処となく見たことがあるフォームな気がするけど…まさかゴルフ?
湯子「(何なの、この人は…。)」
シュッ
低めの良いコース。これはストライクゾーンに入る!
巴美羽「よっと!」
由紀「!?」
ギィイイン!
打球は左中間へと飛んでいく綺麗なヒット。まるでゴルフスイングかのようにスッと振ってきた。これが天才の振り方だというのだろうか。
巴美羽「次。」
湯子が何か気がついたかのように次の球を放る。
湯子「(高めなら!)」
シュッ
巴美羽「ふん。」
ギィイイイン!
今度は右中間、しかも振り方はあまり変わってない。ゴルフのようなフォロースイングだったし…バットを立たせたぐらいだった。どうやったらそんなスイングができるのよ。
湯子「(打ち取れるところが…無い!?)」
ギィイイン!
ギィイイン!!
次々と湯子の球をヒットにしていく。だけど後半になるにつれて巴美羽の表情が変わってきた。
巴美羽「…飽きた。」
湯子「えっ?」
ギィン
突然内野ゴロを打ち始めた。しかも飽きたとか言ってた…。どこまでマイペースな人間なの!?
ギィン
巴美羽「あと…一球か。」
湯子「(何よ…何なのこの人は!!!)」
巴美羽の態度に怒ったのか、強張った表情で投げる体制に入った。
巴美羽「お?」
シューーー
振る体勢に入ってなかった巴美羽に渾身のストレートが進んでいく。
巴美羽「いいねぇ。」
ギィイイイイン!
なんでこれを…カンペキにとらえるの!?




