第一話 第十部 かつての味方
湯子が投げる体制に入る。私はその様子をじっくりと見てどんな球を投げるかを待っていた。
シューーー バシン!
ボール!
初球は高めへのボール球。力んだのだろうか、たまに勢いが少しなかった。ボールというのは力んで投げては力強い球は投げられない。
湯子「(落ち着いて…いままで味方だったけど、ここまでくると先発メンバーを決める練習だから…抑える!!)」
シューーー ギィイン!
湯子「あっ!」
打球はサード線に綺麗に飛んでいくヒットになった。ごめん、私も負けられないの。だから全力でいく!
ギィイイン
キィイイン!
湯子「(三連打…どうか抑える方法…低めにコントロールして!)」
シューーーキィン!
湯子「っら!!」
バシン!!
四球目、私の打球はセンター前へと抜けていくかと思ったが、湯子が手を伸ばして捕球した。ボールはグローブの中へと綺麗に収まっている。執念のキャッチだ。
湯子「へへっ。」
由紀「…やるね。」
だけどこれで気持ちが切り替わることができた。もう私はこのピッチャーからは絶対にヒットを打てる!
ギィイン!
ギイイイイン!
夕菜「すごいね。」
私はその後もヒットを打ち続け、15球のうち、14球をヒットにすることができた。湯子には悪いけど…ベンチ入りに残るためなの。
由紀「ありがとうございました!」
湯子「(さすが…由紀ね。でも、あの子だから打たれたのだと思う。ここは負けたしアピールも失敗したと思う。だとしても…まだあきらめない!!)」
巴美羽「よっと。いいよ、投げて。」
私の次は巴美羽だった。湯子…気をつけてね。




