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ひかり

 私は性格が悪いんだろう…そう思う。

 心根の汚い人間、薄汚い人間だ。

 双子の片割れと親友の恋を素直に応援できないようなずるい人間なんだ。




 私といぶきは、双子の姉弟だ。

 いぶきは私の分身──一部みたいなもので、小さな頃はずっと2人でいられるんだと思ってた。

 隣のみのりは、私にとって、初めての同性の友達だった。

 友達──家族じゃなくて、いつも一緒にいるわけじゃない、でも仲の良い相手。

 私の一番はいぶきだけど、二番はみのり。

 そんな感じだった。




 でも、いぶきとみのりの一番は、私じゃなかった。

 みのりがいない時でも、いぶきはみのりの話をする。

 今まで、いつだって私のことだけを気にしてたいぶきが、私以外の人の話を楽しそうにしてる。

 悲しかった。

 みのりはみのりで、いぶきを王子様だって言ってた。

 私にだけ。

 そりゃそうだよね。いぶきだけ男の子だもん。

 3人でいると、みのりはいぶきの方ばかり見てる。

 そのうち、みのりがいぶきのお嫁さんになるって言い出した。

 私のいぶきを連れてかないで! そんな気持ちから、「私もいぶきのお嫁さんになる!」って叫んだ。

 本当は、わかってた。

 いぶきとは結婚できないってこと。

 双子なんだもん、無理に決まってる。

 でも、そう言わないと、いぶきと一緒にいられなくなるって思った。




 いぶきとみのりが両片想いのまま距離を詰めようとしてるのがわかってて、私はその間に潜り込む。

 だって、そうしないと私の居場所はなくなっちゃう!

 みのりの一番の友達で、いぶきの双子で。

 それが、「カノジョの次に大事」になって、「彼氏の双子」になっちゃう。




 2人の仲を取り持つフリをしながら、2人の間に挟まり込んでくっつかないようにする。

 こんな性格の悪い子、いないよね。

 そのくせ、みのりの前でいぶきに肩を揉んでもらって見せつけたり。




 何してんだか。ていうか、私はどうしたいんだろう。

 いぶきもみのりも、2人とも大好きだし、ずっと一緒にいたいけど、結婚できるわけじゃない。

 ていうか、結婚したいとか思ってるわけでもない。

 いぶきは片割れだし、みのりは女の子だし。

 どっちも結婚するような相手じゃないよね。

 じゃあ、なんでこんなことしてるんだろ。

 多分、私は寂しいんだ。

 いぶきとみのりは、私さえいなきゃすぐにも付き合っちゃうだろう。

 ていうか、私がいたって、きっかけさえあれば付き合い始めるに決まってる。

 だって、両想いなんだもん。

 気付いてないだけで。

 気持ちを教えてあげたら、すぐだよ。

 それで、私はひとりぼっちになる。

 2人がいなくなっちゃうわけじゃないけど、でも、目の前にいても、私が入り込めない2人の世界を作っちゃうんだ。

 私は、それが、こわい。

 手を伸ばせば届くのに、伸ばせなくなるのがこわい。

 私は、ずるい子だ。

 どうしたら幸せになれるのかな…。

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― 新着の感想 ―
「ひかり」拝読しました。 やはり二人の間で自分がどうなるのか思い悩んでいたのですね。 ある意味ひかりも不器用なんだな、と感じました。 ひかりがどう行動するのか、次話が気になります。
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