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Episode0 プロローグ
私の名前はエラリー・フォン・ベルナード。
子爵家の次女、十七歳。
前世の記憶がある。
現代日本で生まれ、普通に学校に通い、普通にご飯を食べ、普通に名探偵コ〇ンを楽しみに生きる、ごく普通の女子高生だった。
最終回を見届けることなく人生を終えることになるなんて、思ってもみなかった。
ーー気づけばここは剣と馬車が行き交う、前世とは似て非なる世界
身体は令嬢、頭脳は元探偵(志望)女子高生。
謎があれば、首を突っ込まずにいられない。その性分だけは、前世のままだ。
子爵家の次女というのは、実に便利な身分だ。跡継ぎではないから誰も私の予定を気にしないし、貴族的義務からは程よく切り離されている。
要するに、周囲にとって「どうでもいい存在」ということである。
探偵にはうってつけの環境だ。
密かに探偵を志す令嬢としては、この自由な立場は案外悪くなかった。
問題は、令嬢が首を突っ込んでいい謎など滅多にないことくらいで——
そしてある日、事件は向こうからやってきた。
それが国をも巻き込む陰謀の序章だと、そのときの私はまだ知らなかった。




