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落とされ人  作者: カーブミラー


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54/263

【054.訓練】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 青空に黒い点が三つ。

 それが上空を旋回している。

 レフティーたちだ。

 レフティーが先頭に立って、編隊を組んでいる。

 最初、そのまま飛び去ってしまうのか、と思った。

 だが、レフティーが飛べるようになって、たいして時間が経っていない。

 それなのに上昇していった。

 ヒナたちふたりは、そんなレフティーを見ていただけだった。

 “あんなに高く飛べるなんて”とか、”すごい”といった顔で。

 上空でレフティーが一声発した。

 どうやらふたりに何かを言ったらしい。

 ふたりが飛び立った。

 ふたりにとっては、初めての空だ。

 今まで、庭園を滑空していただけだった。

 ふたりは、グングンと上昇していった。

 レフティーに追いつく。

 それからレフティーの指導がはじまる。

 上空からは、どう見えているのだろうか?

 そのようすをフェイスに撮る。

 もうすぐ北へ帰っていくんだな。

 そう言えば、トールとエレナの身体も大人っぽくなってきた。

 羽毛ももうない。

 ツノがまだないが、もうすぐ生えてくるだろう。

 旅立ちか。

 さみしくなるな。

 そうか、ベッドにまたひとりになってしまうのか。

 しばらくは、レフティーの重みがなくて、眠れないかもしれないな。


 レフティーたちの訓練は、それから毎日行なわれた。

 少しずつ距離が伸びている。


 夜。

「渡り竜の渡りがはじまったようです」とテオ。

「どこからの情報だね?」

「ネットです。北部の国民が書き込んでました」

「そうかね」

「元気がありませんね。もしかして、さみしくなる、とか?」

「まぁね。ずっと一緒にいたからね。ひとり寝がつらそうだ」

「私は添い寝しませんからね」と笑うテオ。

「頼まんよ。男を相手にしてもつまらん」

「確かに。なら特定の女性を探したらどうです? 先生なら選り取り見取でしょう?」

「こらこら。大人をからかうものじゃないよ、テオ」

「あはは。でも先生も男なんだから別にかまわないでしょ。誰も文句は言いませんよ」

「わかってるさ。だが、今のところ、そのつもりはないな」

「はいはい」

 それで、その話は終わった。

 夕食をふたりで食べる。

「仕事の方はどうだね?」

「順調です。マリーンともうまくやってますよ」

「そうかね。みなさんは?」

「それなりに忙しくしてますよ」

「私がいなくても変化はないか」

「ええ。変わったことも今のところありませんし。レフティーたちが戻っていったら、事務室に戻られるんですよね」

「もちろんだとも。やることは一緒だが、やはり部屋に仕事は持ち込みたくないからね」

「同感です」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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