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落とされ人  作者: カーブミラー


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13/120

【013.前の人間、次の人間】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 月日は流れていく。

 狩猟と採集、道具作りが、オレの仕事になった。

 粘土を得て、土器も作った。

 器が欲しかったからだ。

 ボトルは、使っているうちに割れたりして使えなくなった。

 ゴミ捨て場に放っておくと、それは崩壊していった。

 どうやら生分解性プラスチック素材だったらしい。

 自然環境にさらされると分解されて、その環境中に放出されるのだ。

 ということで、ボトルの数が減っていく。

 粘土を見つけたときは、ホッとしたものだ。

 まずは、小さな器を作って、作り方を試してみる。

 焚き火にくべ、素焼きにする。

 出来上がったのは、割れた器。

 自分の中の知識をさらって、試行錯誤を繰り返した。

 割れないものが作れるようになったが、素焼きなので、水が染み出てしまう。

 そこでまた試行錯誤。

 表面に皮膜を作り、水が漏れ出ていかないようにした。

 “ああ、そうか”と思い当たった。

 5人が出ていったのは、こうした道具類の作り方を知らないからなのだろう、と。

 ボトルが次から次に分解されていけば、器はなくなってしまう。

 水が飲みたくなったら、水のある洞窟まで、行かなければならない。

 道具類を作りたくても、どうすればいいのかを知らなければ、目的のものには到達しない。

 ここでの知識は、水と同様、宝なのだ。

 その知識を持つ者が、あのミイラ男だったのかもしれない。

 それとも地図を持っていた人間だろうか?


 ミイラ男は、墓を作って、埋めてやった。

 その身体は、枯れ枝のように軽かった。

 墓碑には、何も書かずにおいた。

 書こうにも名前を知らないのだ。

 名前くらいはと思っても、名前が書かれたものは、何ひとつなかった。


 着陸場は、ときどき、草刈りをした。

 自分の着陸船には、次の人間のために、ここの地図とメッセージを書いておいた。

 着陸場からベースまでの道の樹木の幹にも、目印代わりの草で編んだ縄を縛りつけてある。

 ポイントが何を意味しているのか、地図にも追記しておいた。

 これでオレのように、無駄な徒労をせずに済むだろう。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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