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落とされ人  作者: カーブミラー


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13/15

【013.前の人間、次の人間】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 月日は流れていく。

 狩猟と採集、道具作りが、オレの仕事になった。

 粘土を得て、土器も作った。

 器が欲しかったからだ。

 ボトルは、使っているうちに割れたりして使えなくなった。

 ゴミ捨て場に放っておくと、それは崩壊していった。

 どうやら生分解性プラスチック素材だったらしい。

 自然環境にさらされると分解されて、その環境中に放出されるのだ。

 ということで、ボトルの数が減っていく。

 粘土を見つけたときは、ホッとしたものだ。

 まずは、小さな器を作って、作り方を試してみる。

 焚き火にくべ、素焼きにする。

 出来上がったのは、割れた器。

 自分の中の知識をさらって、試行錯誤を繰り返した。

 割れないものが作れるようになったが、素焼きなので、水が染み出てしまう。

 そこでまた試行錯誤。

 表面に皮膜を作り、水が漏れ出ていかないようにした。

 “ああ、そうか”と思い当たった。

 5人が出ていったのは、こうした道具類の作り方を知らないからなのだろう、と。

 ボトルが次から次に分解されていけば、器はなくなってしまう。

 水が飲みたくなったら、水のある洞窟まで、行かなければならない。

 道具類を作りたくても、どうすればいいのかを知らなければ、目的のものには到達しない。

 ここでの知識は、水と同様、宝なのだ。

 その知識を持つ者が、あのミイラ男だったのかもしれない。

 それとも地図を持っていた人間だろうか?


 ミイラ男は、墓を作って、埋めてやった。

 その身体は、枯れ枝のように軽かった。

 墓碑には、何も書かずにおいた。

 書こうにも名前を知らないのだ。

 名前くらいはと思っても、名前が書かれたものは、何ひとつなかった。


 着陸場は、ときどき、草刈りをした。

 自分の着陸船には、次の人間のために、ここの地図とメッセージを書いておいた。

 着陸場からベースまでの道の樹木の幹にも、目印代わりの草で編んだ縄を縛りつけてある。

 ポイントが何を意味しているのか、地図にも追記しておいた。

 これでオレのように、無駄な徒労をせずに済むだろう。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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