表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落とされ人  作者: カーブミラー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/128

【119.文明化の町・1】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。

 その町の外れに船は停止した。

 アルとともに降りる。

 外は朝だった。

 オレは、アルに言って、仮面を作ってもらい、顔にかぶった。

 仮面といっても人工皮膚でできた人間の顔だ。

 それを自分の顔に押し付けると、密着して、簡単にははがれない。

「まさか、〈スベルト〉にいるはずの人間が、こんな場所に来ているなどと知られるわけにはいかないからな」

 そう言い訳したのだが、アルはたいして気にも留めていなかった。

 服装も〈落とされ人〉の格好にした。

 船を振り返る。

 そこには何も見えなかった。

「本当にわからないな」

「物がぶつからない限り、わからないと思います。鳥のような動物がぶつかることはあるでしょうね」

「なるほど、見えないからか」

「はい」

 ふたりで、朝の町を歩く。

 港の方が騒がしい。

 漁に出ていた船が戻ってきたのだとわかっていた。

 水揚げは、上々だろうか?

 公園に着いた。

 遊具があり、花壇があり、ベンチがある。

 ふたりして、ベンチに座って、朝の町を眺める。

 持ってきた朝食をふたりで食べはじめた。

 アルは食べる必要はないが、オレひとりで食べているのは不自然なので、そう指示したのだ。

 食べ終わるころに、警官らしき男性が、公園入り口に現れた。

 こちらに気付いて、近づいてきた。

 腰の後ろに手をまわしている。

 武器に手をかけたのだろう。

 こちらふたりは、武装はしていない。

 少なくとも見える範囲には。

「見かけない顔だね」と警官が声をかけてきた。

「ええ。こちらの警察のかたですか?」

「そうだ。どこから来たね?」

「となりの島から。夜のうちに」

「船でかね?」

「ええ。こちらは、ずいぶんと文明化が進んでいますね。ふたりとも驚いている最中です」

「にしては、落ち着いて朝食を食べてたようだが?」

「やっと腰を落ち着けたので。できれば、ここのお偉いさんに会いたいのですが」

「偉い人に会って、どうするんだね?」

 警官は、腰の後ろにやった手をまだ戻していない。

 警戒し続けているのだ。

「ここの住民になれればと」

「となりの島から逃げ出してきたのか」

「そういうことです」

「何をやった?」

「何も。落とされたら、あそこがただ規則ばっかりでして。それが嫌で逃げ出してきたんです」

「なるほどな。まぁ、いい。一緒に来てくれ。詰め所でゆっくりと話を聞こう」

 その警官のあとについていき、“詰め所”と呼ばれるところにいった。

 そこは、とあるビルの1階だった。

 商店街の一角だ。

 商店街はまだ開かれてはいない。

 中に入る。

 そこには、もうひとりの警官。

「ご苦労様です」と声をかけた。

「〈落とされ人〉か」と彼。

「となりの島から逃げ出してきたんだとさ。規則が嫌で」と最初の警官。

「ここにも規則はあるんだがな」と彼は軽く笑った。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ