【117.新たな着陸ポイント】
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それから1時間後。
すべてのドローンが戻ってきて、各種データが集約された。
すぐにリストが実行される。
「7ヵ所にポッドが見受けられます。画像を表示します」
7ヵ所の画像が目の前に表示される。
その中のひとつに異様な光景があった。
そこには、大量のポッドが積みあがっていたのだ。
広場いっぱいを埋め尽くしたのだろう、それで着陸できずに積み重なったのだ。
「ここの周囲を見せてくれ」
そこは、決して大きいとはいえない島だった。
それでもそれなりの生活空間を確保できそうだ。
海もあれば、山もある。
平坦な場所は少ないが、樹木を切り出せば、村にはなりそうだ。
だが、村があるようには見えない。
「この島に人間らしい生命反応はありません」とアル。
「ない? あれだけのポッドがあるのに?」
「ポッドは、すべてカラになっています」
「近場の陸地まで、どのくらいの距離だ? 対岸が見える距離かな?」
「いいえ。対岸が見える距離ではありません。蜃気楼ですら見えないでしょう」
「とすれば、船で移動しようとは考えないだろうな。たとえ、別の場所に人間がいると知っていても」
その島をゆっくりと回転させてみる。
オレは頭を振った。
これと言って、人間がいた形跡がない。
「いったい、どこへ消えたのだろう?」しばらく考えた末に「この島の下はどうなってる?」
画像が半透明になり、島の内部が表示される。
内部には、空間が広がっていた。
それをつなぐように洞窟も無数に走っている。
「ポッド近辺を」
拡大された。
ポッドのある土地のそばに洞窟に続く穴があった。
その穴は、ポッドから森に入る道にある。
「ふつうの画像に」
見た目の画像に切り替わる。
その道は、背の高い草で覆われていた。
「そういうことか。草で穴が見えなかったんだな。それで穴に落ちた。穴の下を」
また半透明になり、その穴の周辺のようすが現れた。
「落ちたとしても死ぬほどの高さではないな。でも這い上がれもしない。この洞窟につながっている道を示してくれ」
洞窟の迷路が色づけられる。
その迷路は、大きな池に続いていた。
どこから行ってもその池に落ちるだけだ。
「暗闇の中をさまよい歩いた末に、池に落ちたんだな」
「そのようです。池の表面に人体らしき物体が浮かんでいますし、底に大量の骨らしいものもあります」
さすがにそれは表示されなかった。
「わかった。リストにこの島の落とし穴を塞ぐことを追加しておいてくれ」
「はい」
残りの六つを見る。
その中からひとつを選び、まわりの状況を調べる。
すぐ近くに村があった。
「生体反応から女性ばかりと思われます」
「女性ばかり? 男性はいないのか?」
「はい。この村の住民数とポッド数に開きが見られます」
その円グラフが示された。
ポッドの全数のうち、住民数は3分の1を占めている。
「残りの3分の2の人間はどこに行ったのだろう?」
「見つけました」
画像がポッドのある岸壁の下を映し出す。
そこには、複数の遺体が積み重なっていた。
「どうやらすべてが男性のようです」
「どういうことだ?」
「わかりません。どうやら到着して、すぐに落とされたようですね。上の遺体は服を着ているのに対して、下の方の遺体は服がなくなっています」
「服は、生分解性だからな。とすると……女性たちが男性たちを殺したというのか」
「どうしてでしょうか?」
「わからんな。よし、リストに彼女たちの話を聞くことを追加しておいてくれ」
次のポイントを選ぶ。
ポッドの数は少ない。
近くには、洞窟があり、人間の生命反応があった。
ポッドよりは少ないが、異常なほどではない。
赤外線画像から火を使っていることもわかる。
ふつうに生活できている、と判断した。
それでもリストに追加した。
調査対象として。
次。
どこよりもポッドが少ない。
周囲には、人間の反応もない。
だいぶ離れてはいるが、人々が集まっている村があった。
別のポイントの人間たちだ。
そこに合流したに違いない。
「ポッドの中に人間の生命反応があります」
「何? 出ていないのか?」
「そのようです。生命反応が弱い。危険な状態かもしれません」
「最優先で向かってくれ。助けなければ」
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