49、オリジナルの型なんか開拓できない
ネット上の何処かで、『最近の小説はパターンが決まっていて面白くない』という感想を目にしたことはありませんか? 特に、流行っているものの逆張りを望む意見が(この手の感想の中では)多い印象です。
また、『既存のストーリーに飽きた』という作者の方もいるでしょう。氾濫したテンプレを嫌い、新発明を目指す。筆者も一時期それに取りつかれました。
恋愛にしろ、スポ魂にしろ、物語の流れには何種類かの『型』が存在します。主人公とパートナーが助け合って愛を成就させる、ライバルと切磋琢磨して頂点を目指していく、といった具合ですね。後者は小説よりも漫画で見かける気がしますが……。
ここでは、『追放モノ』を一例として挙げさせていただきます。(型そのものを貶める意図はありませんが、丁度分かりやすいので……)
知らない方の為に説明をすると、
・主にハイファンタジー小説で存在する型
・主人公が何らかのパーティーから(大体の場合理不尽に)追放される
・その後主人公は成り上がり、元パーティーの面々は没落していく
絵にかいたような下剋上です。今も昔も、崖っぷちから這い上がる主人公は人気が高いものですね……。
説明はここまでにして、本題に入ります。稀に良くある『読者』からの要望は次のようなものです。
???「『主人公が追放された理由が正当なもので、主人公は追放後堕ちていく』作品を作れ!」
なるほど、目新しい骨組みですね。パーティーが順当な対処をしただけで、主人公は逆恨み。このような性根の腐った勘違い主人公に天が味方するはずもなく、没落していく……。
「そんな小説、何処の誰が好んで読むんだよ!」
このエッセイの読者の方に質問です。先ほどの設定の追放モノ、続きを追ってみたくなりましたか? 主人公に惹かれましたか?
結局、新しい『型』がそう簡単に生まれない理由は『面白くない』の一点張りです。上手に見せる技量や構想の煩雑さ以前に、面白みが出ないのです。
このつまらない作品を書かせた張本人たちも、読破する気はさらさらありません。彼らはアウトローの作品ではなく、所詮は『読んでいて面白い』作品を求めているに過ぎないからです。
……それでも、新天地を開拓したい? そんな作者の方は、まず王道を執筆してみることから始めてはいかがでしょうか。王道から吸収できるものはいくらでもあります。
----------今回のまとめ----------
余りものには必ずワケがある
完結まであと:51(あと75年ペース)
to be continued...
このエッセイをみて『あるある』と思ってくださった方がいれば幸いです。
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投稿がかなり久しぶりになってしまいました……。これからも不定期投稿になりますがご容赦願います……。




