34話:ラビットハウス・オン・ザ・ラブ!②
昼休み。
俺は給食を食べ終えたあと、まだ給食を食べている綾野を横目に飼育小屋へと向かった。
綾野はきっとくる。
自分の机でひとり黙々と給食を食べていた綾野の姿を思い出す。
あれははたから見れば、まるで拷問だ。まるで鉛の飯を食べているような暗く沈痛な面持ちが、ひどく惨めで印象的だった。
クラス内に友達のいない綾野にとっては授業中よりも、給食や休み時間の方がずっとつらいのだろう。
だから彼女はきっと来てくれる……そう、俺は信じていた。
飼育小屋に入り、逃げ回るうさぎをなんとか捕まえては外に連れ出す。
視線をあげてみるとグラウンドを駆け回って遊びまわる子供たちの姿が見える。その中には同学年の友達たちと一緒にサッカーをしている桜木の姿もあったし、下級生の子供たちと一緒に鬼ごっこをしている戸山の姿もあった。
突然、カチャリ、と柵を開ける音が聞こえた。
反射的に振り返ると、そこには多少息を切らした様子の綾野がいた。
「遅くなってしまって、ごめんなさい」
「平気だよ。気にしないで。……むしろ来てくれてありがとう」
「う、ううん。べつにこのくらい……私も飼育委員だから……」
言いながら彼女は俺が抱き抱えていたうさぎに興味を示す。
「その子が世話をするうさぎ?」
「え、ああ、うん。そう。こいつが学校で飼っているうさぎだよ」
「ふぅん……」
意外なことに彼女はうさぎを興味深そうに見つめる。
「この子の名前はあるの?」
「いや、名前はないかな。みんな、そのまま、うさぎって呼んでる」
「そうなんだ……」
「よかったら抱いてみる?」
「いいの?」
「もちろん。綾野さんも飼育委員なんだから。……あ、でも、うさぎの毛が付いたり、土埃や泥なんかが服についちゃうかもしれないけど、大丈夫?」
「大丈夫よ。それくらい気にしないから」
綾野は小さくはにかむ。
それを見て、おもわず胸がときめいてしまう。
俺は気恥ずかしさを隠すようにして抱えていたうさぎを手渡す。
「じゃあ、はい」
「う、うんっ」
綾野はおそるおそるうさぎを受け取る。
「思ってたよりもずっと柔らかい……!」
「うん、だから両手で下と横から支えてあげるようにして、できるだけ優しく持ってあげて」
「わ、わかったわ」
綾野はびくびくとしながらだったけど、それでもなんとかうさぎを抱き抱えることできた。
うさぎはピスピスと鼻息を荒くしながら身体を小さく震わせている。
綾野の慣れない手付きに、うさぎも怯えているのかもしれない。
「もしかして、うさぎを触るのは初めて?」
「え、ええ。初めてよ」
「じゃあ、前の学校では動物は飼ってなかったんだ?」
「うん」
「へぇ、そっか」
なんとなく会話が途切れてしまう。
だけど、ふしぎと先日とは違い、気まずく感じなかった。
「なんだか落としちゃいそうで怖い……私なんかが抱きしめても大丈夫なのかな?」
「大丈夫だよ。あんまり強く抱いてたら、うさぎも苦しいかもしれないけど……ほら、ぜんぜん苦しそうじゃないし」
「よかった……」
彼女は柔らかく微笑む。
優しくて温かな眼差し。
だけど――なにかを怯えているみたいに揺れている瞳。
彼女の気持ちはなんとなくわかる。俺も昔、姉ちゃんの子供を初めて抱っこしたときに同じようなことを考えたことがあるから。たぶん、それと同じだ。
ふいに彼女と目が合う。
「どうしたの?」
綾野が言った。
緊張したり、焦ったりすることもなく、ごく自然な口調でそう言った。
だから俺もとっさに。
「やっと笑ってくれたなって思って……」
「!?」
とたんに動揺してしまう。
そのとき、うさぎが綾野の両腕からするりと抜け出した。そのまま柵で囲まれた庭の隅へと逃げてしまう。
「ああ……」
自分のそばから離れていくうさぎをみつめる彼女はどこか寂しそうだ。
「綾野さん……せっかくだし、うさぎにエサをあげてみない?」
「エサ?」
「にんじんの皮があるからんだ。これをあげたら喜んで食べると思うよ」
俺は返事も聞かずに、にんじんの皮を手渡す。
「うさぎに近付いてから目の前に差し出してみて」
「う、うん……」
綾野はおそるおそる近付く。
口元にエサを差し出すと、うさぎはそれを――むしゃむしゃと食べ始めた。
「わぁ! 食べてる! ねぇ、ほら見て!」
「あはは、よかったね」
無邪気にはしゃぐ彼女を見ると、なんだか俺まで顔がにやけてしまう。
「このこって、にんじん以外も食べるの? 他の野菜とかお菓子とか」
「うーん、どうだろう? うさぎのエサっていったらにんじんが定番だし、いつも学校からエサとしてもらうのはにんじんの皮だけだけど……」
「ふぅん、そっかぁ。あっ、ふふ、ほら、もっとゆっくり食べなきゃだめよ」
にんじんをほうばるうさぎを優しくなでながら優しい笑みを浮かべる綾野。
よかった……。
ようやく彼女が笑ってくれた。
ようやく彼女に穏やかな時間が訪れた。
ふしぎと俺も心が和んでくる。
やっぱり女の子は泣いてるときの顔なんかよりも、笑っているときの顔の方がずっとかわいらしくて魅力的だな……なんとなく、そう思う俺だった。
・・・・・
放課後。
飼育小屋に向かうと今度は綾野の方が先に来ていた。
カギの開け方を知らない綾野は小屋の前でまま立ち往生していた。
待ってるだけは手持無沙汰なのだろう。下校する生徒に見られるのは居心地が悪いのだろう。綾野は下を向いたまま、俯いていた。
俺が声をかけると綾野は待っていたといわんばかりに駆け寄ってくる。
「ごめん、遅くなって。待った?」
「ううん。大丈夫」
「カギの開け方を教えておくよ。今後のためにも覚えておいてね」
「ええ、わかったわ」
綾野に小屋の扉にかかっているダイヤル式のロックを解除する方法を教える。
そのついでにエサがもらえる場所も教える。
「今日はもうあんまりエサをあげないでね」
「どうして?」
「エサは毎日もらえるわけじゃないんだ。給食の献立によってはもらえない日もあるから、そんなときのために少し残しておかないといけないんだよ」
「そうなの? でも、お腹を空かせてたら、かわいそうじゃないかしら……」
「大丈夫だよ。エサが足りなくなるなんてことはめったにないし、もしなくなったとしても、数日ぐらいなら我慢できると思うよ」
「それならいいんだけど……やっぱり心配だわ……」
ごく自然に会話をしながらふたりしてうさぎの世話をはじめる。
「まず、なにをすればいいの?」
「まずはうさぎを外に出して。そしたら次に小屋の掃除のしかたを教えるから」
「ええ。わかったわ」
・
・
・
「……最後はこんな風に地面をなだらかにして、おわり。どうわかった?」
「うん。だいたいは、だけど……」
「心配しなくても大丈夫だよ。わかんなかったら、また教えるから」
「う、うん。ありがとう」
「じゃあ、とりあえず、俺は外でうさぎの面倒をみてるから部屋の掃除が終わったら言ってよ」
自分なりに気を遣う。
彼女も俺が見ていない方が作業に集中できるだろうから。
「わかったわ」
「楽しみにしてるからね」
「も、もう、プレッシャーかけないでよっ」
「あはは、ごめん、ごめん」
軽口を言いながら小屋を出る。
柵に寄りかかり、うずくまるうさぎと下校する子供たちを交互に眺めていると、ふいに見知った顔の女の子を見つけた。
「あ、杉崎くん」
「織部さん……」
ボロボロに使い古された赤い安物のランドセルを背負った女の子……織部が柵越しに話しかけてくる。
「飼育委員の活動?」
「そうだよ」
「ということは転校生も一緒なんだ?」
「うん。今、小屋の中で掃除をしてもらってるところ」
「大変ねぇ」
さも他人事のように話す織部。
「そういえば聞いたわよ。今日のお昼休みに杉崎くんとあの子が楽しそうに喋ってたって。杉崎くんすごいねぇ」
なにがだよ。
「あ、ありがとう。よくわからないけど……」
「あんな子と仲良くなれるなんて、杉崎くんってほんとに飼育員に向いているんじゃない? 大人になったら動物園とかで働いたら?」
「…………」
自分でもわかるくらい露骨に顔をしかめる。
いくらなんでも失礼だ。
冗談にしてもひどすぎる言葉に俺は不愉快な気持ちでいっぱいになる。
俺は小屋の中にいる綾野に俺たちの会話が聞こえないように注意しながら小さな声で聞いてみる。
「……織部さんって綾野さんのこと嫌いだよね?」
「そりゃあ、そうよ。むしろ私の態度みてわからないかしら? 私、あの子にいい加減な言いがかりつけられたのよ?」
「怒る気持ちもわかるけど、本人も悪気はなかったんだろうし、許してあげなよ?」
もう過ぎたことなんだし、いいじゃん。
もうちょっと大人になれよ。
せめて表面上だけでも取り繕いなよ。
女なんだし……女って外面よくするのは得意だろう?
「いやよ。絶対にいや。自分から直接謝ってきたなら考えるけど……私、あの子と仲良くできる気しないし、今後も私はあの子のことを徹底的に無視するから」
「……いくらなんでも強情すぎない?」
内心、心が狭いやつだな、と思う。
「俺なら適当なところで折り合いをつけるけどなぁ」
嫌い続けるのも大変だし、疲れるから。
すると織部は怪訝そうな表情で俺を見てくる。
「な、なに?」
「杉崎くんって、さぁ……」
言いかけたとき。
「杉崎くん、掃除終わったから――」
小屋の中から綾野が出てきた。
「!?」
俺のことを呼ぶのと同時に織部の存在に気付いたのか声を失くしたまま顔を歪ませる。
「…………」
対する織部は冷たい無表情だ。
やべ、どうしよう……。
「「「……………」」」
居心地の悪い沈黙が流れる。
それを破ったのは織部だった。
「……じゃあ、私そろそろ行くわね。じゃあね、杉崎くん。またね」
「え、あ、うん。さようなら……」
慌てて返事をするが織部は返事も聞かぬままに行ってしまった。
「…………」
「…………」
ふたりっきりになった俺と綾野。
「そ、掃除終わったんだよね。じゃあ、確認するから中に入ろうか」
「う、うん、そうだねっ」
俺たちふたりは沈黙を破るようにして小屋の中へと入っていった。
・・・・・
「……聞かないんだね」
飼育小屋の掃除が終わったあと、ふたりして外でうさぎの世話をしていたとき、突然、綾野は目も合わせずに話を切り出した。
「知ってるでしょう? トイレでの出来事……彼女と口論したときのこと」
「……聞いてほしいの?」
俺も目を合わせないまま静かに聞き返す。
「聞いてほしいなら聞くよ。でも、俺は綾野さんにとっては話したくないことだと思ってる。だから、自分からは聞かないつもりだったよ」
「…………」
「迷惑だったかな?」
「……わかんない」
綾野は自分の心中、想いを初めて吐露する。
そのまま彼女は俯いてしまう。
「ごめんなさい……でも、本当にわからないの。自分でもなにがしたいのか、どうしたいのか、どうすればいいのか、が……」
「……ひとつ聞いてもいいかな?」
彼女の顔に視線を向ける。
「綾野さんは俺が何度も話しかけたのって、迷惑だった?」
「そんなことない!」
「!?」
互いに目と目が合う。
「ほ、ほんとに?」
「ほんとだよ。だって……嬉しかったもん。話しかけてくれて……」
それを聞いたとき、俺の胸は高鳴った。
彼女の言葉はただのお世辞かもしれないけど……それでも自分の行動を肯定してくれたことがとほうもなく嬉しかった。
「それなのに……ごめんなさい。何度も話しかけてくれてたのに上手に話せなくて……」
「いや、俺の方こそ、ぜんぜん上手く話せなかったし……」
またしてもお互いに無言になる。
だけど、今はまったく気まずくない。
気が付くと下校していた生徒たちの姿も見えなくなり、生徒たちの騒がしくも元気で明るい声が聞こえなくなっていた。
なんとなく、今、世界は俺たちふたりだけなんじゃないか……そんな錯覚に陥りそうになる。
いつもとは違う雰囲気。
だからこそ、気が付くと俺は呟いていた。
「俺も誰かと一緒にいたり、話したりするのが苦手なんだよね……」
「えっ?」
「なにを話せばいいのかわからなくって……」
「う、うん。私も……!」
「なにか喋らないとって思うと焦ってさ……」
「うん。うん……!」
「自分が上手く話せないからこそ、相手が気を遣ってくれるのがすっごく申し訳なくて……でも、話しかけてくれるのが嬉しいから……だから、なんとか嫌われないように、話しかけてくれた人に“楽しかった。話しかけてよかった”って思ってほしくて……“つまらなかった。話しかけなければよかった”なんて思ってほしくなくて……ほんと、わかんないよね。ひとりでいたいけど、寂しくて不安になるし、誰かと一緒にいると怖くて不安になる」
俺は自分の心中、想いを吐露する。
「だから、俺は自分のことが大っ嫌い。わがままなくせに自分からはなにもしない、なにもできない自分のことが」
しかし。
「違うよ」
「え?」
「杉崎くんはなにもしないだなんて……そんなの違うよ」
彼女の瞳が俺をまっすぐに見つめる。
「だって私に話しかけてくれたじゃない……私、すっごく嬉しかったもん」
彼女の瞳が俺をくっきりと映し出す。
「だから、杉崎くんはなにもできないなんて……絶対に違う」
彼女の瞳が俺をはっきりと肯定する。
そんな彼女を見て、俺は――ようやく彼女を理解した。
「綾野さん……」
「ほんとになにもしてないのは……なにもできないのは私の方よ……」
また彼女は自分の心中、想いを吐露する。
「ほんとは私だって、友達が欲しい」
彼女は言った。
「みんなとお話したい。みんなと仲良くなりたい。仲良くしたい。でも……」
小さな声だけど。
ポツリとだけど。
「わからないの、ほんとにわからないの……」
それでもはっきりと。
「話しかけられて嬉しいのに……なのに怖いの。上手く話せるか不安で、上手く話せないと嫌われちゃうじゃないかって……」
「…………」
「だから話しかけないでほしい。誰も私なんかに興味がなくて、最初からずっとひとりぼっちなら……“なんにもない”方がラクだから……そう思うのに、でも、やっぱりひとりは寂しくて、不安で、怖くて、だから話しかけて欲しいし、話しかけられたときは嬉しくて……」
彼女は泣いた。
「わけわかんないよね。自分の気持ちなのに。自分でもわかんないし、自分の気持ちなのに上手く言えなくて……」
泣きながら鼻をすする。
「綾野さん、きみは……」
「私って、本当に――」
そこから先の言葉を彼女は言えないし、俺も言えない。
だけど、俺にはわかる。
彼女は――自分のことが嫌いなんだろう。
俺と同じように。
弱い人間こそ、自嘲の言葉ばかり口にする。
自分のことが嫌いだから。
……つくづく思う。
他人は自分を映す鏡だ。
今の綾野を見ていると俺は自分自身を見ているような気がしてならない。
他人と関われば関わるほどに自分の“弱さ”を見せつけられるような気がして、勝手に自信を失う。それがいやで他人と関わらないようになる。そんな自分がいやで……身を守るためだけに自嘲するようになる。
……ほんと、つくづく思う。
メンヘラだ。一言で言ってしまえば。
「こんな私なんかと友達になってくれる人なんていないわよね……」
「……そんなことないよ」
「!?」
俺はうさぎに近付き、しゃがみ込んでは彼女のことを手招く。
「綾野さんは自分のことを“こんな私”なんて卑下するけど、俺はそんな風には思ってないよ」
「杉崎くん……」
「だって、自分の気持ちを素直に話してくれたじゃないか」
「そ、それは言葉のあやっていうか、あなたが話してくれたからで……」
「でも、ちゃんと話してくれた。俺に。自分の気持ちを。俺、すっごく嬉しかったよ」
「そ、そんなべつに私は…………」
綾野は顔を真っ赤にしてたじろいでしまう。
「それに、こいつのことも」
俺はうさぎをの背中をしずかに撫でた。
「さっきもエサが少なくないか、こいつが空腹になるんじゃないかって、心配してたよね? 俺よりも早くこいつに会いに来てたし。それに初めてうさぎを抱いたときも……なんていうか、すごく優しそうな顔してたよ?」
「……私が言ってるのはうさぎじゃなくて人間のことだよ?」
「同じだよ。うさぎだって生きているんだから……人とおんなじように感情があるし、人の優しさがわかるはずさ」
「それはたしかにそうかもしれないけど……」
「俺、喋るの苦手だから上手く言えないけど……綾野さんは“なにもしてない”わけでも“なにもできない”わけでもないと思うよ」
「…………」
「なんていうのかな……俺はきみのことを、普通の女の子だと思うよ」
「杉崎くん……」
「ちょっと内向的だけど、とっても繊細で、優しい女の子……だからこそ、俺はそんな綾野さんと友達になりたいって思うよ」
またしても彼女は赤面してしまう。
「も、もう! 杉崎くんって、すっごく珍しい言葉を使うわよねっ。“卑下する”とか“繊細”だとかっ」
「そ、そうかな?」
「そうよ。なんだか大人みたいっ」
「あはは……」
まぁ、中身は本当に大人だしね……。
「でも……うん、ありがとう」
彼女は気恥ずかしそうにはにかみながら、小さく笑う。
そのとき、それまでずっとブルブルと身体を震わせながら縮こまっていたうさぎは突然綾野の方へと飛び出す。
「きゃあっ!!」
驚き、そのまま地面の土に尻餅をついてしまう綾野。
「大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
「はい」
「ありがとう」
俺が手を差し出すと彼女は戸惑うことも悩むこともなく俺の手を掴んでくれた。そのまま俺が引っ張りあげる形で立ち上がる彼女。
「もう、びっくりしたじゃない」
困ったようにはにかみながらも、綾野は両腕で抱えたうさぎを優し気な目付きで見つめながら撫でる。そんな彼女を見て、俺はなんだか胸が温かくなってくる。
あいかわらず周囲に人気はなく、静かだ。
落ち着いた雰囲気の中、今ここには穏やかな時間が流れている。
……こんな穏やかな時間がいつまでも続けばいいのに。
……願わくば、彼女が平穏で落ち着いた学校生活を送れますように。
そんな淡い期待と希望を願いながら、俺はうさぎを愛でる彼女を見つめた。
しかし、穏やかな時間は長くは続かなかった。
一週間後、うさぎが死んでいるのが発見された。
第一発見者は――綾野愛花だった。




