物的流通編の結びに
これまで物的流通の基盤整備について述べてきた。国家の根幹は物的流通である。それを書くために必要な基礎的な技術面は述べることができたと信じている。ただし概論であるから詳細は別途資料を用意するなどして、補完してゆくべきである。とくに、この資料集では制度などの実施面に関しては何も述べていない。それに関しては主人公がどこを目指すのか、である程度変わりえるし、国土の情勢によっても変化しうるからである。
しかしそのまま突き放すことは『内政チートをもっと読み隊ふやし隊』の隊員である私の信条に反する。よって有用な参考資料について紹介をしようと思う。それを読んで使うもよし、読まずに考えてみるのもよしではあるが。
第一に『物流は世界史をどう変えたのか』玉木俊明 PHP新書
当該は交通施策が国力や世界にどれほどの影響を与えたのかといった観点から世界史を見直したものである。当然これまでの話と主題が同等であるから締めにふさわしいだろう。こちらは施策面であるが。
第二に以前述べたこともある、戦後の政策映画『たちあがる輸送』である。
輸送力が失われた時、どのようにして国家が壊死してゆくのかを視覚的に理解させてくれるだろう。そして少ない輸送のリソースをどうやって割くか、という時の重点をある程度分かりやすく提示もしている。
ほかにも多くの資料があるが、網羅はできない。それだけでたぶん本になるだろう。よって上2点のみをここでは取り上げる。興味の入り口として最適であると判断するからである。もっと知りたいときは図書館に通うなり、自力での調査を推奨する。自力で見つけた資料のほうが記憶に残りやすいというのが私の経験則による持論である。常に資料とにらめっこするのも手ではあるが。
以上をもって物的流通編の締めとする。諸君の楽しい創作ライフに光あれ。