第71ターン バレエの得意な柔道好きのモデルVS不良少女A
格ゲーマーの始祖、日乃本 尊。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾!
「モレシャン、弾に気をつけて寄せろ、投げの間合いに入れ!」
格ゲー常任理事国はかのアラビアンナイトことビッグバットがセコンドを務めるようだ。のっけからビシバシと的確に指示が飛び、その通りの挙動でモレシャン・マノンが花崎 蘭子が操る韓国の少女A、ジュリーとの距離を詰める。
とどの詰まり格ゲーは距離のゲームと言ってよい。距離の管理こそがその真髄であり、これは本物の格闘技、打撃戦にせよ組技にせよ、リアルファイトにも共通する原理、セオリーなのだ。
その意味でビデオゲーム、すなわちバーチャルな空間の中でそれを再現しているロードバトラーシリーズは洗練され切ったシロモノで、傑出した作品と言っていい。
「入りは慎重に、慎重に行こう蘭子ちゃん!」
チーム夢原サイドからの指示は引き続きヘッドコーチのむ〜どからだ。そこにチームのエース純も声援を送る。
「オイッ、ランラン!相手は投げ専門だ。二、三発お見舞いしてやれ!」
その声に応えてか、蘭子・ジュリーが↘→→○太極刃を飛ばしてモレシャン・マノンを牽制するとこれをパリィで捌いてさらに前進するマノン。
あら、ごめんなさいね、といいながら所謂足払いでジュリーを華麗に投げ飛ばすマノン。柔道とクラシックバレエが融合したような、なんとも言いようのないテイストの技を披露する。
クラシックバレエにも通じた柔道家のモデルというキメラ体のキャラクター、それが追加キャラのアノンだ。
「なんか、胡散臭いキャラナノダ〜ネタ切れ感が否めないといか、、」
時に鋭い視点で周囲を驚かせるクー子が偽らざる感想を漏らしてしまう。いや、合気道みたいだと言えなくもない也と比留多 恭介が開発サイドの擁護にまわる。愛ゆえに課題を正面から見れないのか。
「なんっーかよお、アレだぜ、キャラは自分の分身じゃないとノレないんだよ、格ゲーは。」
二人の会話を受けてか、それは判然としないが純がポツリとつぶやいた。
つづく
人物紹介
・日乃本 純 ひのもと じゅん
本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。
・クー子 くーこ
純の親友。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。
・花崎 蘭子 はなさき らんこ
高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さは病のレベル。
・源五先輩 げんご せんぱい
純のクラスメートの留年生で3年目の高校二年生を満喫中。どうやら女性に目がないようだ。プレイキャラは新世代の主役、ローク。
・比留多 恭介 ひるた きょうすけ
元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。
・日乃本 尊 ひのもと たける
純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。
・ヨウヨウ ようよう
医療法人花崎会の新事務長。丸眼鏡の美人。格闘ゲーム、ザ・ナックルのプレイ経験のある、あざといアラサー。
・花崎 誇 はなさき ほこる
格ゲーにおける純の元相棒。あだ名はオタク族。只今、医科大学を目指して受験勉強中。アメリカンな空手家、ゲンの遣い手。
・デコ、ミッチ
クー子の友達で純のクラスメート。




