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第208ターン アイスマン、きどき参戦

格ゲーマーの始祖、日乃本 たける。その息子・純が格闘ゲームのプロを目指して歩み出す。涙と感動の格ゲー青春小説第二弾! 

 一本背負い炸裂!我らが熱血格ゲーマー純が操る武道家リョウが闇堕ちリョウを投げ飛ばして見せる。


「やったゼ、ベイビー!」


 "間合いの管理合戦"という、いわばチキンレース、消耗戦のような状況からリスクを取って攻めに転じた純の積極性が生んだ成果とも言える。

 

 それは"胆力の門"で学んだリスクを取ることの大切さとそれが生み出すテンポの良い攻め、立ち回りだ。


 "胆力の門番"が後は任せたと"知力の門"の衛兵隊長に純のセコンドを譲る。IQゲーマー城戸きど たかしこときどきがマジくんから引き継ぎを受ける。


「攻め口の拡げ方、展開の創り方は復習させたけえ、()()()()を助けてやってくれや、アイスマン。」


 承知したと、きどき。メッシュ入りの前髪をかき上げながら、まずは戦況分析から入る参謀総長。


 残り時間はあと30秒、残り体力は純・リョウが約10%で闇堕ちリョウが50%、技換算すればリョウは中技一発で沈み、闇堕ちを倒すにはかなりの大技数発が必要だ。


「となるとリーサルを、リーサルコンボを発動できるかが鍵になるだろう。」


 と、きどきが秒で方針、ストラテジィを独りごちると、これを聞いたクー子が早速食いつく。


「リーサル?何の猿なのダ??リスザル、クモザル、ニホンザル!?」


「まッ、作戦は言わ()()、聞か()()ってところかな。今に純くんが見せてくれるだろうけど。」


 と、クー子の愚問に最高学府出身者らしく少々スノッブな返しを見せるIQゲーマーきどき。が、勉学に深刻なヘイトを持つクー子はそんな国語便覧に載ってそうなことわざマメ辞典が生理的に受け付けない。


 くだらないこと言ってンじやあないよ、と歯をいてきどきに襲いかかろうとしたから、む〜どと万吉少年が慌てて止めに入る。


「オイッ、クー子!イキり*!モメてんじゃあねえよ!次の作戦を早く指示してくれッち!」


イキり...きどきのこと。簡にして要なあだ名は純によるもの。


「アイ・シー、任せてくれ。まずは思い出すんだ"読み合い"の原点を。」


 と、きどきが純にクールな一言。が、よく見るとヒヒのように赤い顔をしたクー子が万吉たちに遮られながらも、きどきの前髪を掴んで離さない。ウキーッ!


つづく

人物紹介

・日乃本 純 ひのもと じゅん

 本作の主人公。高校二年生。事故で障がいを負い格ゲーでリハビリする中、自分が格ゲーのサラブレッドと知りプロを目指すことに。空手家リョウの遣い手。一人称はオレっち。


・む〜ど 

 純が属するチーム夢原のヘッドコーチ。日頃はちょっとエッチなお兄さん。実は人格者のプロゲーマー候補。


・mako まこ

 純が属するチーム夢原の女コーチ、長い睫毛が印象的なチームのアイドル。北大阪出身の理系女でもある。プロになるか大学に残るか思案中。


・クー子 くーこ

 純の親友マブダチ。児童クラブ時代からの付き合い。ハイカラな東京言葉を使うが、実は関西出身。本作では他ゲームからのゲストキャラ、舞妓を使う。


・花崎 蘭子 はなさき らんこ

 高慢ちきな美少女JK。純の元相棒、花崎 誇の妹。前作では純らに敵対していた。口の悪さはやまいのレベル。 


・比留多 恭介 ひるた きょうすけ

元蘭子の親衛隊長。ニヒリストを気取り文学をこよなく愛する格ゲーマー。一人称は小生。変な髪型の米兵、ゲイルの遣い手。


・佐久間 柚葉 さくま ゆずは

 盛岡のフリースクール、リスタートゲーミングの不思議系エースプレイヤー。比留多に強い敵意を抱く。ムエタイ戦士のガッドや米兵ゲイルの遣い手。元ヤンでもある。


・先生 せんせい

 リスタートゲーミングの主催者。行き場のない若者達をゲームで連帯させ、社会復帰させるNPO活動をしているのだが、、


・阪田 万吉 さかた まんきち

 大阪の格ゲーチーム、難波ドテRISEの切り込み隊長。キャラのジャンプ力を活かした通天閣殺法が得意。苦労人のようだ。


・アンコールズ あんこーるず

 格ゲー常任理事国のエースプレイヤー。元地下アイドルで格ゲープレイヤーとしてメジャーデビューを目論む妄想癖のJK。口癖は「アタシの想像力では〜」


・日乃本 尊 ひのもと たける

 純とその姉の音々の父。格ゲー黎明期の知る人ぞ知る英雄。純は既に死んだと聞かされていたが、、、

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