第62話 公式会談
王都、王城会議室。
長机を囲む貴族・王国代表。
「……では、今回の協定について議論を」
声が静かに響く。
レインは、椅子に腰掛けたまま、軽く頷く。
「はい、よろしくお願いします」
「……え?」
周囲、ざわつく。
「この……男が代表?」
「……田舎者が?」
カレンが小さく舌打ち。
「……普通の顔ね」
ミアも不思議そうに見上げる。
「本当に……こいつで大丈夫?」
リリアは微笑む。
「問題ありません」
「……?」
代表として座るレインは、特に構えず、姿勢も崩さず。
「まず、協定内容についてですが」
書類をちらりと確認しながら、淡々と話す。
「こちらの条件としては……」
端的に、しかし的確に伝える。
「……簡単すぎるだろ」
王国側の顧問の一人が呟く。
「いや、間違いではない」
小声で、隣の者に。
「……この男、侮れないぞ」
さらにレインは、淡々と条件を整理する。
「承認いただければ、実行可能です」
「……」
周囲、息を呑む。
「この感覚……普通じゃない」
カレンが小さく言う。
「……ええ、あの一瞬で分かります」
リリアは静かに頷く。
「……」
王も、静かにレインを見つめる。
「……この男が、今回の中心となる者か」
心の中で、微かに警戒が生まれる。
「はい、その通りです」
軽い口調、しかし揺るがぬ意思。
周囲は、ただ呆然。
「……こ、これで……本当に大丈夫なのか?」
「……ええ、大丈夫でしょう」
リリアの声に、少しだけ安心が混ざる。
その瞬間。
周囲の視線が、レインに釘付けになる。
「……この男、何者だ?」
「それが、我々の今回の最大の疑問ですね」
レインは、ただ笑うでもなく、淡々と座っている。




