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追放されたので廃村でのんびりしてたら、なぜか最強の街になってました  作者: 南蛇井


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第21話 居場所

「じゃあ……その」


ミアが少しだけもじもじしながら、三人の前に立つ。


「改めて、なんですけど……」


ちらっとレインを見る。


次に、リリア。


最後にカレン。


「一緒にいても、いいですか……?」


さっきまでの勢いはどこへやら。

少しだけ不安そうな声だった。


「はい、構いませんよ」


レインがあっさりと答える。


迷いも、条件もない。


「……早いですね」


リリアが小さく苦笑する。


「もう少し確認とかは?」


「大丈夫だと思います」


レインはいつも通りだった。


「困ってましたし」


理由がシンプルすぎる。


だが――


それがこの人らしい。


「……はぁ」


カレンが小さく息を吐く。


「あなた、本当にそれでいいの?」


「はい」


即答。


「問題ないと思います」


その言葉に、嘘はない。


本気でそう思っている。


「……」


カレンは数秒だけ黙る。


そして。


「……まあ、いいわ」


軽く肩をすくめた。


「戦力的には、問題ないし」


(むしろ、過剰すぎるくらいだけど)


心の中で付け足す。


「ありがとうございます!」


ミアの顔がぱっと明るくなる。


「では、改めて」


リリアが一歩前に出る。


「ようこそ、ですね」


柔らかく微笑む。


「私たちのパーティへ」


その言葉に、ミアの目が少し潤んだ。


「……はい!」


大きく頷く。


「ミア、でしたね」


「はい!」


「魔法の制御は、これから一緒に練習していきましょう」


「お願いします!」


素直で元気な返事。


そのやり取りだけで、空気が少し柔らかくなる。


「前に出るのは控えなさい」


カレンが横から口を挟む。


「あなたは後方よ。暴走されたら困るから」


「うぅ……分かりました……」


しゅんとするミア。


だが、その表情はどこか嬉しそうだ。


注意されているのに、嫌ではない。


「慣れれば、もう少し自由に動けるようになるわ」


カレンが続ける。


「それまでは我慢」


「はい!」


すぐに元気を取り戻す。


「じゃあ、四人ですね」


レインがぽつりと言う。


その一言で、改めて実感が湧く。


「そうですね」


リリアが頷く。


「にぎやかになります」


「……もう十分にぎやかだけど」


カレンが小さく呟く。


だが、完全に否定する声ではなかった。


少しの沈黙。


風が木々を揺らす。


穏やかな時間。


さっきまでの緊張が、嘘のように消えていた。


「……あの!」


ミアがまた声を上げる。


「私、頑張ります!」


ぐっと拳を握る。


「ちゃんと役に立てるように!」


真っ直ぐな言葉。


その場の空気が、少しだけ引き締まる。


「無理はしなくていいですよ」


レインが言う。


「できることをやれば大丈夫です」


「……はい!」


その一言で、また安心したように笑う。


「それで、次はどうするんですか?」


ミアが聞く。


完全に“この先”を一緒に進む気でいる。


「そうですね」


レインは少し考えて、


「とりあえず、依頼を終わらせましょうか」


と答えた。


「はい!」


元気な返事。


四人で歩き出す。


並びは自然と決まる。


前にカレン。

中央にレイン。

その左右にリリアとミア。


会話が増える。


笑い声も混じる。


ほんの少し前までとは、まるで違う空気。


それを、少し離れた場所から見ている者たちがいた。


「……増えてるな」


「四人か」


「しかも、あのカレンまで……」


ざわめきが広がる。


だが、その声はどこか柔らかい。


恐れだけではない。


興味と、期待が混じっている。


「ねえねえ!」


ミアがレインの隣で話しかける。


「さっきのやつ、もう一回やってもいいですか!?」


「いいですよ」


「やったー!」


無邪気な声が響く。


「……本当に自由ね」


カレンが呟く。


「でも、悪くないですよ」


リリアが微笑む。


「ええ……まあね」


少しだけ、素直に答える。

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