624.【後日談7】親愛の証!
・トミタ(猫)視点
おはよう。今日も良い天気だ。
俺は魔獣都市マタタビの粗大ゴミ置き場のベッドの上にて、今月の都市の怪我人のレポートを眺めている。レポートは電子ペーパーに表示されている。
電子ペーパーの乗り心地はイマイチだ。
「断捨離! 断捨離! おや、猫さんじゃないですか」
「にゃー(何してるんだ?)」
両手いっぱいの本を持ったヨツバがやって来た。
「見て分かりませんか? 断捨離ですよ!
不要な物を、あちこちに譲っているところです」
「にゃー(ふむ、リサイクルか)」
「違います、断捨離です! 家を綺麗にして、本当に大切な物を再確認するんです!」
「にゃー(ふむふむ)」
「そうしたら彼氏が出来ます!」
「にゃー(何で?)」
「分かりませんが、そういう人が多い気がします!」
彼氏が欲しいなら、お見合いの場所にでも行ったらどうだろうか。
「そういう猫さんは何を読んでいるんです?」
「にゃー(これだ)」
◇ ◇ ◇ ◇
・ケース1 デュアルホーンキャットの場合
僕、デュアルホーンキャット!
角が2本生えたネコ科魔獣!
人間の男のエルモと一緒に住んでるよ!
僕はエルモのこと大好き!
美味しいオヤツに、なんとも言えないニオイの靴下!
お、玄関にエルモが来た!
仕事から帰って来たんだ、わ〜い!
「がお〜!(エルモ〜!)」
「ん? 何だうわぁぁあああ!!」
ザクリ!!
大好きなエルモに頭を押し付けたら、血まみれになっちゃった! 大変だ〜!
◇ ◇ ◇ ◇
・トミタ(猫)視点
「にゃー(親愛の証として頭突きをして、心臓と肝臓を突いて大怪我したらしい)」
「親愛の証!? ってか大怪我で済んだんですか!?」
この世界の住人は割とタフなのだ。
ヒールが間に合えば、病院で治療出来る。
「にゃー(他にも、親愛の証としてしっぽ付近を擦りつけてふっ飛ばされた人間とか)」
「だから何ですか親愛の証って!?」
「にゃー(人間でいう所のハグとか握手みたいなもんだ)」
「そんなノリで怪我させたんですか!?」
いや、彼らは悪気があったわけじゃないと思うぞ。




