009 食われる?!
本日2話up。こちらは2話目です。ご注意下さい。
ヒタヒタヒタ
足音?
近づいて来てる
モグーキングだろう
ノンちゃん
私もすぐそっちへ逝くみたいだよ
このまま下を向いていたら、きっと頭を殴られて昇天できるだろう
「おい。そろそろこっち見ろ」
「え?!」
人がいるの?!
頭を上げると
目の前に巨大な
クロヒョウがいた。
「ギャァァァ!食われるーーーーーーーーっ」
「うるせえ。食わねえよ」
「…ほんと?」
「俺だよ、俺」
「異世界でオレオレ詐欺に会うとは」
「こんな時にボケんな。前脚見ろ」
言われた通りに前脚を見る。
クロヒョウなのに左前脚が白い。
「いつも見てんだろう」
いつも?
左前脚が白……
「あっ。【ステータス】!」
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名前 カノコ ムコウハラ
出身地 チキュウ
種族 人族
年齢 16
職業 召喚師
召喚種 ノクターン(クロヒョウ♂1歳)Lv5
(体力) 62/100
(魔力) 0/0
(攻撃力) 50
(防御力) 50
(俊敏) 50
(器用) 50
(精神力) 50
(運) 50
スキル : 召喚Lv∞
装備 : ショートソード、スクエアシープのベスト、スクエアシープのズボン、ウェアドッグのブーツ
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ギルド登録時にアレグラさんが驚いた理由の一つは、【MP0】。
それと【スキル・召喚Lv∞】及び【召喚種】にノンちゃんがいる上に【猫じゃなくなっていたのだ】。
召喚師は獣や魔物と契約し召喚できる。契約は相手より召喚レベルが上回っていることが必須。召喚時にMPが必要なので、かなりの魔力持ちじゃないと不可能である。
だが召喚師という職業もノンちゃんと契約した覚えもない。それにノンちゃんがいつもいる=常時召喚状態。帰還方法(?)も不明。どこかに帰られても困るけど。
それに記載はクロヒョウだけど姿はずっと猫だった。
「あれ。ノンちゃんのレベルって4だったよね。5に上がってる」
「レベルは夜中にいろいろ狩って上がったようだな」
主に狩っていたのはネズミか爬虫類か虫。もしかしてどれかは小型の魔物だったの?
「さっきまで猫だったよね」
「戦うには大きさが足りない!と思ったら変わってた」
「そもそも同じネコ科とはいえ違い過ぎない?」
「そんなこと言われてもわからねえよ」
「………」
「おい」
「………」
「おい。どうした?」
「……う」
「う?」
「うわーーーーんっ。ノンちゃん生きてたーー!喋ってるぅぅぅ。キモいぃぃぃ」
「キモイだと?!恩人に向かってそれはないだろう」
ホッとしたら涙が出た。ノンちゃんは泣きながら喚く私に怒っている。
いいよ。怒られても。
ノンちゃんが生きているなら。
***
2015/01/25 年齢変更。
2015/03/03 装備、体力、魔力記載訂正。