第40話 夏の行き先
「あ……」
拓真が何かを思い出した。
「みくちゃんたちのご飯……」
拓真は楓真にバレないように厨房に戻り、8人分の昼ごはんを作り始めた。
その頃。
「なーなー! これしてみるー?」
8番テーブルに戻った楓真たちに、みくがスマホの画面を見せる。
「なんですかこれ?」
月乃が反応する。
そこには、『10名様の団体招待券が、8組様に当たる! 簡単抽選ゲーム!』と表示されていた。
「団体招待券? 何のですか?」
「えっーとねー! 愛里浜リゾート公園での一泊二日のキャンプ。1日目の夜はあの愛里浜花火大会が見れるんだって!」
みくが解説する。
「え! 愛里浜リゾート公園!!?」
みんなが反応する。
愛里浜リゾート公園とは、3年前の春にオープンした愛里浜という海岸沿いに沿って建てられた、大きな公園である。
敷地内には、遊園地や、キャンプ広場もあり、夏には花火大会が開催される。言わば、有名な観光地である。
「全部で5回できるみたいだけど誰かやる?」
みくがみんなに聞く。
「あたしやりたい!」
風凛がみくのスマホを取って、ゲームを始める。
「これをこうして……」
風凛はゲームをすいすいと進め、すぐにクリアした。
「おっけー。これでガチャをまわすのね」
風凛は抽選画面に進み、ガチャを回した。
ムービーが流れ、『はずれ』の文字が画面に表示される。
「あー! はずれたぁ!」
「次、わたしやる!」
次に蒼桜がスマホを取る。蒼桜もゲームをクリアし、ガチャを回す。しかし、蒼桜もはずれ。
「ま、そう簡単に当たるわけないよね……」
「私もやりたい。蒼桜貸してー!」
次に彩葉がスマホを取る。彩葉も同じようにゲームをクリアし、同じようにはずれを引く。
「あと2回、誰が引く?」
「みく引けよ。お前のスマホだろ?」
楓真がみくに言う。
「あっそっか。私引いてなかった」
みくもゲームをクリアして、ガチャの画面に進む。
「ここから……お願い!」
みくは、ガチャを回す。
「えっ!」
流れてきたムービーが少し違った。金色の流れ星が3つ空を流れる。
「当たった!?」
みくが期待して言う。
しかし、『はずれ』の文字が。
「えー! 今のはずれなの?」
みくが不満そうに嘆く。
「ラスト1回だな。誰かやるか?」
「私、やります!」
月乃がみくからスマホを貰う。同じようにゲームを進め、クリアする。
「当たりますように!」
月乃がガチャをタップする。
また、違うムービーが流れる。真ん中がキラリと金色に光る。
「えっ!? えっ!?」
みんながスマホの画面に注目する。
すると、画面に、『おめでとうございます!! 当選いたしました』と表示された。
「えーーーー!! 月乃ちゃん!!?」
みくが叫ぶ。
「えっ? えっ? 私、当てて……」
月乃は突然のことすぎて、動揺している。
「当てたんだよ!! すごいよ月乃ちゃん!!」
蒼桜も大喜び。
「まさか誰かが当てるなんて思ってなかったわ」
風凛も嬉しさを隠すようにして、言う。
「えっ? じゃあ、ここに行けるってことですか?」
月乃がみくに聞く。
「そうだよ! 私たちここに行けるんだよ!」
「「やったぁぁぁぁ!!」」
みくたちは、飛び跳ねて喜ぶ。
「じゃあ! 申し込み手続きとかいろいろやっておくね!」
「あのー! こちら注文されてた品になります」
拓真が8人分の昼ごはんを持ってくる。
「あ、忘れてた。みんな食べよー!」
こうして、楓真たち9人は今年の夏、愛里浜リゾート公園にキャンプに行くことになった。
続く
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