第3話 こんな役職おかしい?
(無理矢理連れてこられたのは俺だけかぁー)
絶望する楓真の横でみくが手を挙げる。
「オッケー。副会長はみくと、彩葉ちゃんね」
「じゃあ次は……会計は誰がやる?」
しーん。
「あちゃー。なら、楓真くんやる?」
「えっ? 僕ですか?」
「うん。決定でいいよね?」
「えっと……それは……」
「いいじゃん! 計算得意そうな顔してるし」
「偏見にも程がある!!」
「むしろ数学苦手だよ!!」
楓真の意見を全無視して紗千花が紙に記入する。
「この人……もう何を言っても無駄みたいだ……」
ーーこの後、順に役職が決まっていきーー
「オッケー。じゃあ確認するけど……」
「会長が柚花ちゃん、副会長が彩葉ちゃんとみく、会計が楓真くんで、書紀が風凛ちゃん、革命委員長が立夏ちゃん、自習委員長が月乃ちゃん、生徒会室担当が蒼桜ちゃん、雑用が悠希弥くんね」
「あ……あのーたまに出てくる変な役職何なんですか?」
「変?」
「だから……革命委員長だの、自習委員長だの、終いには雑用だの……」
「あーそうね、説明が必要かもね」
そう言って紗千花はスマホで誰かに電話をかける。
「もしもし? 楓乃? ちょっと部屋まで来て」
それだけ言って電話を切る。
「さて、楓真くんともう1回みんなに役職の説明をしておくわね」
そう言って紗千花は役職の説明を始める。
「まず、会長は非公式生徒会のまとめ役、そしてみんなに仕事を与える。言わば社長みたいな役割ね。」
「次に副会長だけど、これは会長の補佐、そして唯一、本当の生徒会との関わりを持つの。これに関してはまた後で話すわ」
「次は会計と書紀ね。この2つはペアになって動いてもらうことがほとんどだわ。会計は非公式生徒会員から集めたお金、つまり部費の集計、管理。書紀はお金の残高の確認、非公式生徒会会議の司会などかな」
ここまでは普通の生徒会とあまり変わらないみたいだ。
「次は革命委員長。これはもともと、私達の学年が入学した時にとある男子が立ち上げたもので、この西条高校をもっと変えていこう、より良いものにしていこう、という思いがあるわ」
「だから、それを私達は『革命委員』と呼んでいたわ。それのトップ、つまり委員長ね。」
「次は自習委員長ね。これは特に仕事はないんだけど、自習室の管理や、『積極的に自習室を利用しよう』みたいな取り組みをやってるわ」
「次は生徒会室担当。これはここ、非公式生徒会室の片付けや掃除、あとは周りへの聞き込みなんかもやったことあるわね」
「で、多分1番気になってるであろう雑用ね。これは雑用と言ってもそんなにすることはないよ。強いて言うなら書類の整理くらいかな?」
ガラガラ……
紗千花がそこまで話し終わると、ドアを開けて誰かが入ってきた。
黒く長い髪に、凛とした雰囲気な人だ。
「楓乃! 早かったね」
「近くにいたから……」
「そう。紹介するね。この人は、非公式生徒会会計担当、西園寺 楓乃。私の小学校からの親友だよ。」
楓乃が紗千花に問いかける。
「説明するの?」
「よろしく!!」
「分かった。『非公式生徒会って何?』ってことだよね? えっと……立華くんだっけ?」
楓乃が楓真に質問していく。
「あっ、はい」
「まず、『生徒会員』ってどうやってなると思う?」
「えっと、選挙があってそれに当選すればなれます」
「そうね。じゃあそれに落ちたら?」
「なれません」
「そう。去年の生徒会選挙に落ちたのが、この紗千花なの」
「えっ!?」
「紗千花はね、中学のころもある男子に負けて、生徒会員になれなかったのよ。だから高校では絶対に生徒会長になるって決めてたの。」
「1年生の1学期から学級委員長を務めて、学校行事にもいろいろ貢献してきた。」
「この高校の生徒会役員選挙はちょっと特殊で、毎年3月にやるんだけど、新2年生と新3年生の人たちが立候補できるの。生徒会長なんかは新3年生から選ばれることもあるし、新2年生が選ばれることもある」
「私達が1年生のときの生徒会長は評判が悪かったから、次期生徒会長は紗千花だねって全校生徒が確信してたの。」
「でも……神崎 瑠璃華が現れたの。今の生徒会長ね。スピーチ力、文章力、全てにおいて紗千花より上回ってたのよ。だから…………圧倒的な差をつけて神崎が生徒会長になったの」
「…………」
楓真は何も言えなくなっていた。
続く
この作品が少しでも面白いと思ってくださった方はブックマーク、下の評判をよろしくお願いします!
次話投稿は明日です




