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第9話 風凛と楓真


「えっ!? 片谷(かたやま)…………?」


 みくが楓真(ふうま)に見せてきたスマホの画面には


『今すぐに立華(たちばな)と屋上に来なさい』


 と、いう風凛(ふうり)からのメッセージが表示されていた。


「屋上……? どういうことだよ……。しょうがない。行くぞみく」


 一瞬戸惑った楓真だったが、来いと言われて、行かないわけにもいかず、屋上に向かおうとする。


悠希弥(ゆきや)蒼桜(あお)はここに残っておいてくれ」


 こうして、楓真とみくは教室を後にし、屋上に来た。



 ガラッ……。


「……っ!? 片山!」


 屋上には、1人たたずむ風凛がいた。


「どうしたんだ? こんなところに呼びつけて……」


 楓真の声に気づいた風凛が、振り向く。


「あぁ……案外早かったのね」


「なにが要件だ!」


 『後で行くから』と言っていたのに、時間が経ってもなかなか来ない風凛に、楓真は少し苛立っていた。


「なんであたしが来ないんだろうなんて考えていたのかしら?」


「うるせぇよ。だからなんだって言うんだ?」


「これ……なんだか分かる?」


 そう言って風凛が楓真とみくに見せたのは、四つ葉のクローバー型のペンダント。


「……っ!? それは……! 蒼桜のか!?」


「そうよ。あのバカからあたしが盗んでやったのよ」


「なんで……お前は…………」


 楓真は怒りに震えながらも冷静を保つ。


「なんでって……面倒くさいのよ。あんなのに付き合うのが。それにあんたもあんたよ! こんなもののために総出で探すなんて馬鹿じゃないの!?」


「それに、あのバカが足を痛めてるの知ってた? それなのに連れ回して……なんであたしの周りってバカしかいないのかしら!」


「ちょ…………か」


「うるせぇよ!! お前……自分で何やってるのか分かってるのか!!」


 何かを言おうとしたみくの言葉を遮り、楓真が叫ぶ。


「そんなのどうでもいい……し」


「こんなペンダントのために時間なんか割きたくない」


「……お前……それを返せよ!」


「なんで? あんたのものじゃないでしょ! 人のものですぅーこれ!」


「お前が言える立場じゃねぇーだろ!!」


「あぁ……そうね……」


 そう言うと、風凛は蒼桜のペンダントを手から離した。


「……ッ!?」


 そのまま蒼桜のペンダントは宙を舞い、地面に落ちた。


 カランっ! カラァァン……。


「……お前…………何やってんだよ?」


 楓真は目の前で起きたことが信じられない様子だった。


 床に落ちたペンダントは大きな亀裂が走り、一部分が割れていた。


「拾えよ…………」


「なんで……? あたしは関係無いでしょ?」


「拾えって言ってんだろ!!」


 楓真の怒りは頂点を超えた。


「は? なにキレてんの? あたしなにかした?」


「なにかしたじゃねぇーだよ! 早く拾えよ! 蒼桜のものだろっ!!」


「なによ……」


 楓真の圧に押されて風凛は、しぶしぶ割れたペンダントを拾い上げる。


「貸せっ!!」


 無理矢理楓真は風凛からペンダントを取り上げる。


「みくっ! 悠希弥と蒼桜を呼んでくれ!」


「わっ……分かった……」


「片山……。やってくれたな。蒼桜たちがもう来る。お前に逃げ場はない! 観念して自分のやったことを反省しろっ!」


「誰が逃げ場がないって言った?」


「えっ?」


「あるわよ。逃げ場くらい」


「どこにだよ!? 唯一の階段は俺とみくが塞いでんぞ?」


「空がある」


「そら……?」


 その瞬間……



 バババババババババババババババババババババババ……


「なに?」


 ふと、楓真が空を見ると、なんと、ヘリコプターが飛んでいた。


「なに? どういうことだよ!! しかもあのヘリ……警察じゃねーか!!」


 すると、そのヘリコプターからはしご状のロープが降りてくる。


 それに捕まり、風凛はスルスルと上まで上がる。


「じゃぁね! バイバイー! べっ!」


 ヘリコプターに乗り込んだ風凛は、べっと舌を出して引っ込む。


 バババババババババババ…………。


 そのままヘリコプターはどこかへ飛び去っていった。


「あいつ……何者なんだよ……」


 

続く






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次話投稿は明日です。

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