ロシュとの攻防
部屋に入ると、ロシュはすぐに扉を閉めた。
そして鍵まで掛けた。
「ロシュ様?」
何か人に聞かれたくない話でもあるのかと、ヴィヴィはロシュの様子を見守っていた。
するとロシュはヴィヴィの側までやって来て、いきなり彼女の身体を抱き締めた。
「ロシュ様!?」
ヴィヴィは訳が分からずに問い掛けた。
「ロシュ様、どうしたんですか?」
「ねえ、ヴィヴィ。僕と結婚してくれない?」
ロシュの言葉に、ヴィヴィは目が点になった。
「は!?」
「だから、僕と結婚してってば」
「何言ってるんですか、ロシュ様!」
ヴィヴィはロシュを押し退けようとしたが、彼はヴィヴィを放さなかった。
それどころか、更に強く抱き締めてきた。
「ロシュ様! 放して下さい!」
「嫌だ」
「ロシュ様!」
ヴィヴィはロシュの腕から抜け出そうとするが、彼の力はまるで緩まなかった。
そうこうしているうちに壁際まで追い詰められて、ヴィヴィは益々逃げられなくなった。
それでも逃げようと必死にもがいていると、ロシュが耳を甘噛みしてきた。
その途端、トクンと心臓が高鳴った。
そして身体が痺れたように、うまく動かなくなった。
(何……?)
ヴィヴィが焦っている間にも、ロシュは耳を噛んだり胸を揉んだりしてくる。
その度に、ヴィヴィの身体はビクンと震えた。
「感じてる?」
「そんなはず……っ」
「嘘。感じてるでしょ」
そう言ってロシュはヴィヴィの身体に手を這わす。
ヴィヴィは動悸が更に激しくなって、身体が熱くなってくるのを感じていた。
「ロシュ様っ! 私具合が悪いんです!」
涙目になってヴィヴィが言うと、ロシュは「ああ」となんでもないことのように言った。
「それ、媚薬のせいだよ」
(ビヤク? 何それ?)
ヴィヴィが一瞬キョトンとすると、ロシュがくすっと笑って言った。
「身体を気持ち良くして、受け入れやすくなる薬」
なんだか分からないが、マズイ物を盛られたらしい。
今夜のことは全て計画されていたのだと、ヴィヴィはようやく悟った。




