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DAY87(月)12月25日

DAY87(月)12月25日


今日は昼頃まで寝てしまったらしい、トモミのノックの音で目が覚めた。


五号が近くになかったため音声は取れなかったが、プレゼントは一応喜んでくれたらしい。


サンタからのプレゼントはどうだったかと問えば、VRの方がうれしかったとは一言も言ってはいなかったが、少々違う感じではあったらしい。


BOTAN(ボタン)でパーティーゲームをすることを提案したが、まだ何も入れていないためゲームができないと言われたため、食事後にゲームショップへと行くことにする。


朝食を終えた私たちは人型の者たちを連れてゲームショップへ来たのだが、このショップにはテレビゲーム以外にも各種様々な種類のゲームはあるが、私は全く興味がないため、トモミに全て丸投げする。


トモミは携帯ゲーム機にもなるボタン対応ゲームを色々と見た挙句に、一本のゲームソフトを手に取ったのだが、それは卵を配った者たちが皆初めて出会ったときにやっていた、とある育成ゲームであった。


その育成ゲームの説明を今ここで始めて読んだが、基本はモンスターを育成し、それを駒にしてフィールド上に置き、戦うらしいのだが、そのほかにも育成したモンスターを使い推理ゲーム的な面もあるらしく、育成したモンスターで盤上で戦うも、共にゲーム内のMAPにある謎を解くのも、遊び方は複数にわたって存在しているらしい。


おまけに複数人の通信プレイもできるらしく、最大10人で遊べるとのことで、推理ゲームは各自が育成したモンスターの能力だよりで問題を解決していき、戦闘という点においては見た感じ、一対一の試合となるらしく、少なくとも序盤において行なうことは自分の駒を育成して、6体揃ってからゲームスタート、六体の能力を考えながらゲームを進めることになるらしい。


戦闘は戦略ゲーム、謎ときは属性を使っての何かを使ってのことなのだと、パッケージには書いてあった。


それ以上は書いていないのでよくわからないが、トモミにこれが良いのかを質問すると、ついでにサブスクについても見ていいかと問われたため、元々それも入るつもりだったと言えば、トモミが驚いた顔をして首を横に振っていた。


どうやらトモミにとっては、そこまでされたら悪いと思ったらしい、自分から見ていいかと聞いたくせに何をいまさらとは思ったのだが、遠慮をするのならばそれならそれでいいだろう、適当に1カ月分のプリペイドを追加してから会計を済ませ、次に洋菓子店へとむかう。


洋菓子店へ行く前に、助手席に座っているトモミが車の中でどこに行くのかを問いかけてきたため、たった一言「どっか」と適当に答えれば、トモミは釈然としない顔をして静かになった。


車の運転中にちらりと隣を見たら、トモミは既に袋からゲームを取り出して、ラッピングをわざわざしてもらったそれをじっと見つめていた、そして眉間を押さえた後に、とても大切なものをしまうかのように紙袋にそれにしまいこんで、胸に抱きかかえていた。


なんとなくどうかしたかと聞いてやれば、一言酔ったと言ってきたため、我慢しろと答えたまま洋菓子店へとたどり着いた、本当に酔っていたらしいトモミの酔いが収まってから店内へと入れば、クリスマスイブも終わったため多少安くなったケーキがショーウィンドウにたくさん並んでいた。


それでトモミにどれがいいかと聞けば、困った顔をしたため、甘いものは嫌いかと不安になり問いかけると、トモミは急いで首を横に振った。


どうやらどのケーキを食べていいのかを決めかねているらしい、どれもキラキラしていて自分にふさわしくないとぬかすトモミの懐の中にいるアリスに、トモミが好きで食べたいものはなんだと問いかければ、ラズベリーケーキを食べたいと体全体を使って示してきた(ショーウィンドウに移るラズベリーケーキがアリスの頭上に乗っかったようなイメージを、アリスが作った)ため、それのホールと、個人的に好きなイチゴのショートケーキのホールを問答無用で買ってから、家へ帰ることにする。


なぜトモミを無視してアリスに聞いたかというと、所有者の欲も卵には大いに反映されるため、所有者が目で見て欲しいと思うものを聞き出すには、なんだかんだそれが一番手っ取り早いのだ。


トモミがなぜラズベリーケーキをホールで買ったのかや、アリスはなぜ私の好きなものを知っていたのか、ショートケーキはなぜ買ったのかなど、色々と質問攻めをしてきたのだが、これは自分へのご褒美だ、私は一年間頑張ったつもりだと言えば、トモミは黙った。


家で待つ動物型の奴らにもおすそ分けをするつもりのホールケーキは、どちらも7~8人前、足りなくなることはないよな……?と疑いの目と、これ以上のメリークリスマスは無理だということで、1つで6000円を優に超える価格をしたそれらをテリクスとテラにお願いし、慎重に持ってもらう。


帰宅後皆にただいまを言えば、ダッシュで一号や三号、ツヴァイ達がやってきて私とトモミのことをもみくちゃにしてこようとしたから、あらかじめテリクスとテラにケーキを持たせておいてよかったと思った。


本当はトモミがケーキも持とうとしていたのだが、きっとトモミも家のやつらに盛大に帰宅を歓迎されるだろうと見越して、自分のクリスマスプレゼントのみを持っていろと指示していたので、一緒にもみくちゃにされているトモミがこけた時点でケーキを持たせなくてよかったと、自分の考えに安堵した。


家には今日までにクリスマス料理をある程度制限していたおかげで、まだ残っている鶏肉とサラダを食べることにする、食べ残しではなく新しくまた作ったもので、トモミと卵たちでひっそりと祝うために残しておいたのだ。


テーブルに全てのご飯を置くと、トモミが黙って泣き始める、驚きどうしたのだろうかと考えていたら、トモミから自身を卑下するようなことを言われたため、それにも戸惑う。


その時の音声が五号に入っていたから、なんとなく書いておく。


「と、トモミ?なぜ?なぜ泣いているんだ?目に汗が染みて泣いているだけか?」


焦って聞くと、トモミは目元を拭いながら理由を述べた。


「だ、だって、こんな……こんなさ?私なんかに、こんな……、こんな楽しくって、いいのかなって……。」


だくだくと涙を流すトモミに急いで綺麗なタオルを持ってきてやり、目元を拭ってやる。


「別にいいんだよぉ!?そんな、泣くほどの事じゃないと思うんだが………それでも、えっと、な、なんか……、ごめん。」


しどろもどろになりながら話す私と泣いているトモミの事を見ながら、おろおろとしている者や、一名とても良い笑顔をしているやつ、お前のことだぞ、リオン、それらの目を向けられながら、私はどうしようか考えて、とにかく席に着かせることにする。


「ほっほら!ご飯、おいしいぞ~?食べてないけど。


多分、きっとおいしいはず!ほら、ローストチキン!トモミが好きかなって思って、とっておいたんだ………ほらぁ、泣き止んでよぉ~。」


だんだんとどうすればいいのかわからなくなり、オロオロしている私も泣きそうになってくる、それに気が付いたトモミが、泣きながらいただきますをして、ローストチキンにかじりつく。


「……グスッ……おいじい……。」


鼻水が出た汚い笑顔だったが、タオルを渡し、トモミが自分で顔を拭くさまを見ながら、私たちも席に着き食事を始める。


色々な食べ物が出ている中、今回はターキーレッグみたいなキッチンペーパーとアルミホイルで細い部分を持ち、かじりつく方式な為、人型の卵たちは良いだろう、鳥であるフュンフが必死についばんでいて、ウサギであるドライは肉を食もうとして戸惑っていた。


ドライにはなんとなくサラダを食べさせながらトモミの事を観察すると、こういった食事があまりなかったのだろうか、泣きながら黙ってご飯をむさぼり食べている。


それに安堵の息を吐きながら、私もローストチキンを食べる、ただ単に買ってきたものを焼いただけではあるが、皮がパリパリでおいしい。


ただ、味付けが大味でご飯が欲しくなり、ご飯代わりのサラダを同時に食べる。


そのサラダはレタスやらプチトマトやらが乗っているような色どり綺麗なサラダだ、だけど、正直失敗だった、私はプチトマトが、トマト自体があまり好きではない、こっそりほかの皿にトマトを分けながら食べていたのだが、トモミにはたぶん気付かれていないから良しとする。


リオンがこちらをじっと見ながら何か考えているような顔をする、卵に知能があるのはなんとなく察せるが、そんな情緒的なことなどはわかるだろうか……。


そんなこんなでほとんど黙ったまま食事が終わってしまう、トモミは既に泣き止んでいるが、目が赤い。


「おいしかった?」


私が不安そうにそう聞けば、トモミは赤い目のままで感想を述べてくる。


「少し……、しょっぱかったです。」


顔がむず痒そうな顔をしていたから、テーブル越しに頭を撫でてやる。


「ほら、ケーキもあるから、みんなで食べよっか。」


冷蔵庫に向かい、クリームが溶けないように入れてもらっていたケーキをどちらも取り出し、オードブルというか、料理が乗っていたテーブルを軽く片付けて小皿を人数分持ってくる、ケーキは大きいから大丈夫だとは思うが、トモミに大き目なケーキを切り分けるために、色々な切り方を模索する。


リオン、カゲリ、テラ……イルル、シン、テリクス……一号二号三号………アインスツヴァイドライ……数えてみると結構いるんだよなぁ。あ、あとアリスか。


全員で20……適当に買ったから足りなかったか?いや、大丈夫なはずだ。


ラズベリーケーキはトモミのために買ったため、それはトモミに任せるとして、問題はショートケーキ、ケーキには8個イチゴが乗っている。


それらを狙うものはいるかどうかわからないが、私はイチゴが欲しい。


五号とアリスがそんなに食べるとは思えないため、とりあえずケーキは8等分に切り分ける、トモミの方を見たら、ラズベリーケーキを良い感じに切り分けたらしくて、褒めてほしそうに目がキラキラしていた。


それを褒めてやってからを皆で分けて食べるために小皿に移す、リオンが今回ショートケーキを取り、カゲリとシンはラズベリーケーキを取り、人型は後はショートケーキを取った。


既にショートケーキが半分になってしまった、私は自分と五号用に一つ取り、あとのケーキは全て獣型に振る舞われた。


ケーキの前にお座りをする犬猫鳥ウサギドラゴン……なんという背徳的なというか、ファンシーな光景だろうか。


こいつらに食べさせてはいけないご飯という概念は一応ない、毒物を食べさせまくっている使役者がいるというのを、前に集まりの方のデータから拾ったから知ってはいるが、毒物耐性が付いて、毒を生成するようになったとかも聞いた。


その代わり、攻撃性が増した、ストレス値が比較的高い水準で推移していたなどの事を見たことがあった。


だが、だがなぁ、ケーキをいぬねこ……甘味をとりうさぎ……、なんとも体に悪そうな光景だ。


というか、食べさせたらダメなのでは?トモミも私に、動物に甘いものを与えてはだめだという非難の目を向けてきている。


とりあえずトモミに判断を任せることにする、そしたら、動物の体に悪そうな甘味を与えることを拒んでいたため、それに従い獣型全てからケーキを奪う。


それにすっごい残念そうな顔をされたが、すまない、トモミの言うことに従った方がお前たちのためなんだ。


動物とかをお世話するための学校における委員会や、係をずっとやってきたらしいトモミは、動物の事に思いのほか案外詳しいらしく、この動物にはこれを与えてはならないみたいなものを、ちゃんと遵守したような食事が卵たちに与えらるように確実に意識されたようなご飯が、私が作れなかったときに作ってふるまわれたりしている。


そしてそれにより、この家でも短期間のうちに動物に食べさせていいご飯革命ともいえる支配がはじまった。


つまり、与えるものの制限である。


ねぎ類、チョコレート、カフェイン類などの刺激物やその他与えてはならないものリストみたいなものがあり、それに沿った形で一号や三号、ツヴァイなどが犠牲というか、健康的な食事へと移行させられていた。


不服そうな顔をする犬猫に、すまないと心の中で謝罪しながら日々を過ごしている。


と、いうわけで取り分が多くなった我々は、動物たちには別のもので代用させようということで、ドライとフュンフにはイチゴを、ゼクスと二号、四号にはキャベツの葉っぱ、一号三号ツヴァイ、アインス、フィーアには塩分抜き卵焼きを急遽作ることになり、それらを振る舞うことにした。


……トモミはドラゴンを爬虫類認定しているようだ。いっそのこと、トカゲや亀のための栄養剤を買ってきて与えてやろうか。


そんなバカなことを考えながら薄味の卵焼きを焼いてやってからそれらを皿に移し、ようやっとみんなでケーキを食べることになった。


いただきますをしたトモミが嬉々としてケーキを食べているが、私はこちらに刺さってくる視線に戸惑う。


ごめんて、そんな恨めしそうな目でこちらを見て来るな。だまって道具は道具らしく与えられたものを食べてろ……とは思うが、非難の目がきつい……やっぱごめんなさい。


その羨ましいと恨めしいが一緒くたになった殺気を、トモミではなく私に向けてくるのは、ある種正解ではあるのだが、ある意味間違いではあるし、本当にやめてほしいし、本当に申し訳なくなってくる。


そんな感じにトモミがラズベリーケーキを食べているのを見て、なんとなく余っているショートケーキも食べるかと聞けば、トモミは不思議そうな顔をした後に、切り分けた残りに残っているケーキを見て頷いた。


リオンがこちらに意味深(いみしん)な目を向けてきて、何を考えているのかを問いかけようとしたが、なぜだかテラとテリクスがそれを阻止してきた。


なお、カゲリからラズベリーケーキを一口貰ったのだが、食べた感想とすると、非常に甘酸っぱく、上のゼリー?がなんともいい味をしていた。


笑顔でカゲリにお礼を言った私を見たリオンが、カゲリを睨んでいたが、カゲリは飄々とした顔でかわしている、リオンが何を言いたいか分かった気が、解ってしまった気がした。


こいつ、私がトモミに向かってあーんをするのを見たいだけのヤベェ奴、あるいはトモミが私に向かってあーんするのをみたいだけのヤベェ奴だ。


それ以上に嫌な予感を感じるその認識を頭から締め出して、トモミにショートケーキを渡し、私はラズベリーケーキを一切れ貰う、シンは既にラズベリーケーキを完食し、ショートケーキに手を出していた。


そんな感じでなんとも食べ辛いデザートをある程度まで食べ、残りを夜にでも食べるために冷蔵庫にまた入れる。


トモミの顔には笑顔があり、私も笑顔になる。


「ハラさん、こんな、本当にありがとうございます。」


ケーキを食べ、一つ丸ごとは流石に無理だったらしかった残りを私が片付けていたら、トモミからお礼の言葉を言われたため、トモミの元へ行き、安心させるために頭を撫でる。


「子供は気にしなくていいの!それに、私も楽しかったから、別に気にしなくていいんだよ。」


私が手を下ろすとトモミが私の目をじっと見てきたから、思わず目をそらしてゲーム機がある方へと視線を移す。


「今日買ったばかりのゲーム、まだやっていなかっただろう?やってきたらどうだ?」


肩を軽くたたいてやりながら言うと、トモミは私の腕を掴んできた。


「ハラさんも一緒にやりましょ?それに、テレビで大画面でやるゲームも、迫力があっていいと思うので!」


トモミの顔というか目を見て、そこにある色を認識してから私は頷き、ゲーム機の元へと一緒に行く。


まず初めにゲーム機をテレビと繋げ、トモミがゲームをはじめるのを見届けた後に、私は仕事が溜まっているからということで、2時間ほどたった辺りで席を立ち、仕事に取り掛かる。


トモミのアリスを借りて、詳細データをUSBの中に入れてから、解析作業を行い、それと同時に報告書をとにかく進める。


途中途中で自分が使役している卵の情報との相関や近似値などを出しながら、子供たちが育てている卵の情報をとにかく色々とこねくり回して、なんだかんだグラフにしたり、表にしたりして報告書を書いていけば、いつの間にかに周りが暗くなっていた。


あとは自動的に全てが終わるように設定されたプログラムを走らせるだけになったところで、トモミの事が気になったため、一階へ行ってみると、トモミは買ってきたゲームにのめりこんでいるらしく、こちらを一瞬チラとだけ見た後、すぐにテレビ画面にかじりついた。


「トモミ―、買ってきたゲームどうだい?」


集中しているトモミに向かって尋ねると、トモミはゲーム画面を見ながらうわの空で答えてくる。どうやら育成ゲームの部分をずっとやっているらしく、一体が成長するまでに少し時間はかかるが、同時に6個の箱庭を作れるらしいので、一度に3匹育てているらしく、卵を孵すのにどんな姿の魔物が出て来るのかが、そしてどんな魔物に育つのかが、やり始めてすぐに楽しみになったのだそうだ。


「ハラさんも一緒にやってみませんか?」


キラキラとした笑顔でトモミが言ってくるのに、私は戸惑う。


「えぇ?私が?まぁ、やらないことはないけど……、いいのかい?」


戸惑いを見せながらも言えば、トモミが笑顔で頷いた。揺れ動く心、正直私もやってみたいとは思っていたのだ。


だが、私には仕事が残っている、なのでそれをバッサリと切り捨てることしかできなかった。


「トモミには悪いが、また後日やらせてもらうよ。


クリスマスまで遊びすぎたつけが回ってきてね、いま仕事を終わらせなきゃいけないんだ。」


そういうと、トモミが淋しそうな顔になった為、ため息を吐き、仕事用のノートパソコンを持ってくることにして、トモミがプレイ中の画面をチラチラと見つつも解析を行い、必要事項をグラフとして書き上げていく。解析プログラムが終了を表す画面を表示しながら停止したところで、作業終了を告げている画面から目線を移動させ、トモミが現在プレイしている育成箱庭へと向けてみる。


ぬくぬくする空間に仕事を持ってきて、頑張って終わらせようと時間を確認しないままに行ない続けたその仕事は、トモミが風呂を沸かしたところで終わりを告げた。


先に風呂を貰った後に、報告書の校正を行い、それを明日に備えて研究室へと持っていく。


その後、トモミと一緒にゲームをした後に、眠くなるまで不備がないかを確認してから寝ることにした。


明日は提出しよ、そういえば、ケーキがまだまだ残ってるから、明日改めて食べよ。

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