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運動会 その6

その間に姿を戻したのだが、私の方を見る人はいなかったようで、問題は特に怒らず、そのあとは消化試合のようにダンスがあったのだが、どの学年もダンスはすごかった。


特に組体操が大きなピラミッドが完成されて、なんとも圧巻な様相を呈していたし、動きも昨今の音楽番組ばりにすごく素晴らしいものであった。


だが、私はただひたすらに三体のことが気になってしまい、シンリュウへとその穢れ水晶を持っていき、落とし物だといえば、即座に請け負ってくれた。


それで一安心ではあるが、最後のリレー、これは全学年がやる総合的な戦いとなるようであった。


最初は一年がリレーを走り、次に二年、最後に三年となるわけだが、この時に組がそれぞれにバトンを渡されるらしく、同じ一組なら、そのまま二年、三年とリレーのバトンが渡されるらしく、この競技だけは三年までの地続きの競技のようであった。


リレーに出るのがヨウカとモガミだけらしく、そのまま戦いを見守ったのだが、ヨウカもモガミもなかなかな速さを持つことがわかった。


徒競走に出なかった組が出るらしいそれら、借り物競争で出た組も徒競走組に混ざるらしく、借り物競争で見なかった人が走っているのが見えた。


そしてモガミとヨウカはそれぞれ同じ走者順で走るらしく、先にバトンを受け取ったのがモガミだったが、モガミもヨウカもかなりのスピードで走り抜ける、そのまま男子にバトンが渡った時には、二人とも一人抜きをしていた。


そのまま一位になったのは六組で、これでわかったことがあった。


六組は、圧倒的にスポーツマンだけで構成されており、下手したらスポーツ推薦のやつらをまとめたような組だということだ。


その後続々とゴールテープを切るわけだが、圧倒的に六組が強すぎて、ほかがかすむくらいの勢いだった。


そんなこんなで閉会式、みんなが行進しながら中央へと行き、それぞれの組の順位が発表される。


最下位は五組、一位は六組が決まっているようで、その間がなかなかに僅差であった。


それぞれの組が発表される中、トモミのクラスはというと、中央位の三位、二位はやはり三組、ほかの組はまぁまぁな順位をとっているのが確認できた。


とまぁ、三組にシンリュウが色々と贔屓にしているワンダーエッグ組が居るので、何かするだろうかというのは確かにあったのだが、やはりシンリュウはなにか施していたのだろう、普通に強かった。


ということで閉会したわけだが、そのときになってシンリュウがやってきた。


「すみませんが、先ほどの落とし物について、少々尋ねたいことがありまして。」


「はい、わかりました。」


そんな会話をした後に関係者も誰もいない裏庭へと移動し、シンリュウが穢れ水晶を取り出して見せてくる、その色は白くなっていた。


「あの、かおりんさ?この中にワンダーエッグが吸い込まれたって言ったじゃん?」


「あぁ、確かに言ったな。」


「この中で、暴れてない?」


そんな言葉と共に、水晶部分が急激に色を失い、そして驚きと共に下に置いたら、急激に穢れ水晶が大きくなり、なにやらゲートのようなものができた。


「おい、聞いてないぞこんなの。」


シンリュウの方を見ながら問えば、まるで王の凱旋とでも言いたげに最初にリオンが出てきて、そのあとに二人の人を抱えたテラ、そしてもう二人を抱えたカゲリが出てきて、そのまま穢れ水晶は崩れ去った。


「うん、情報が多すぎて処理しきれないから、家帰って寝ていい?」


私が問えば、シンリュウがうなずいていた。


「そうだね、ちょっとカオリンのところの卵借りれるなら、それでもいいよ。」


「やっぱやめとくわ。


ちゃんと家に帰ったら研究するから、手出ししないで。」


そんな軽口をたたき合い、そのまま解散、パラソルの場所へと戻れば、私が連れて来た者たちがレジャーシートを片付けてくれていた。


特に、率先して一号が畳んでくれていたのでちゃんと頭をなでてやると、一つ縛りの髪が尻尾を揺らすように揺れていたので、なるほどこの髪が尻尾替わりかと納得した。


今日連れてきたメンバーを呼び寄せると、猫や鳥はその辺の木の上で見ていたらしく、ウサギは花壇の中で休んでいたようだ、狸はなんか、その辺でうろうろしていたようで、ドラゴン系は良い感じに屋上から観戦していたようである。


あ、ゼクスはレジャーシートでいつも通りにあまり動かない置物と化していたようだ。


狐と狼が人になったおかげで、案外楽にできたわけだが、それはそうと帰るときの準備が終わったところで、マシロとすじケンが校内の外、昇降口の近くに居たから思わず話しかけてしまった。


「おぉ!二人とも無事だったのか!」


私が声をかければ、二人は笑顔でこちらを迎えてくれる。


「ぼくたちは元気なのです!上手いこと穢れ水晶を浄化できたのです!ここまでの大型イベントは珍しいので、大きな収穫なのです!」


マシロがフンスフンスと鼻息荒く話しているのに、すじケンが笑顔を向ける。


「フフッ、そうだねマシロ。


あ、君にもお礼を言わないとな、ありがとう、穢れ水晶を渡してくれて、これで狐巫女ランクが2は上がることができたよ。」


こちらに確かにお礼を言う顔のすじケンは、マシロのことを大切だといいたげな目線を送っていた。


「本当なのです!これで、収益化確定なのです!」


一方のマシロはそれに気づいていなさそうなところがあり、収益化確定が重要事項なのだろう、笑顔がまぶしい。


「そ、そうか、それはよかったよ。」


私が戸惑いながらも頷いていたら、後ろからトモミが抱き着いてきたので、思わず変な声が出てしまう。


「もう、ハラさんはまた知らない人と話してますねぇ。


って、あれ?マシロさんじゃないですか、どうしたんですか?」


トモミも気づいたようだ、マシロに声を書ければ、マシロは笑顔をトモミにも向ける。


「あ!カオリさんのお子さんじゃないですか!運動会、どうでしたか?」


マシロの発言はもっともなのだが、私たち二人の琴線に触れてしまい、トモミの顔を見ずとも同じようなムッとした顔をしてしまう。


「あのなぁ、この子は私の子じゃない、弟子だ。


今後この子に色々と仕事を覚えてもらうつもりの、後継者ではあるが、私のお子さんではない。」


「そうですよ!私とハラさんは特別な絆で結ばれた、形のない関係性なんです!


そもそも、突然出しゃばってきて、ハラさんのことをカオリさん呼びっていうのは、いけ好かないのでは?


そんなの、羨ましいじゃないですか!私だってハラさんのことをカオリさんって言いたいですよ!」


どことなく方向性の違う言い分だが、それでも、言いたいことは伝わっただろう、マシロがポケッとした顔でこちらを見てくる。


「はぁ、そうなのですね?」


「あぁそうだ。


邪推はしないでいただきたいが、トモミとは色々な意味でパートナーのような存在でもある、師匠と弟子的な意味だがな。


だから、こいつは私のお子さんではないぞ。」


そうやって言ったところで、マシロの横にいたすじケンが不思議そうな顔をする。


「その割には、そこの子供の目に映る君なのだが、随分と異質な目をしていることに気付くべきだと、自分は思うがな。」


まるで、君はわかっているのだろう?とでも言いたげなので、色々と言いたくはなるが、それをやれば墓穴を掘る、気にしないで流す。


「それはそれだ。


で、トモミはどうかしたのか?そろそろ帰るということを伝えに来たのか?」


トモミが背中にタックルしてきた理由を問えば、トモミはニィーッと笑顔を作る。


「今日は、ちゃんとご褒美をもらう前提ですから、何も言いませんが。


帰る用意は既にできた上で、言いますね。


私、ちょっと友人と一緒に帰っていいですか?」


そんな、非常に健全な中学生のようなことを言われたのが嬉しくて、その頭をぐしゃぐしゃになでる。


「そうかそうか!いいぞ、遅くなってもいいからな?


友人と一緒に家に帰って来い!それで、ちゃんと青春の一ページをきざめー?」


私がそう言えば、トモミはサッと離れ、そのまま友人がいるだろうところへと走り去ってゆく。


「なるほどなのです、今日あの子はすっごく頑張ったのですか?」


マシロの問に、私はうなずく。


「あぁ、君たちに託した以外の穢れ水晶を、彼女が一部どうにかしてくれようとしてくれてだな。


その結果先ほどの子の組が勝ったわけだが、それ以外にも徒競走とかでも一位をとったりして、なかなかな活躍だったんだぞ?」


言いながら、自慢するようにデジカメを取り出そうとしたが、それをすじケンに止められる。


「いや、それは見せなくていい、個人情報だ。」


流石組織の人、本名コテヤマは情報をつかさどる部署にいるだけあり、案外こういったことに警戒心が高いところが、個人的には好感度が高いところである。


「あぁ、そうだったな、教えてくれてありがとな。」


私が笑顔を見せると、相手は軽く頷くだけだった。


「さて、軽く立ち話もしたし、そろそろ退散させてもらうよ。


疲れちゃいないけど、昨日からお弁当を作ったり、一日中カメラと一緒だったり、色々と疲れたよ。」


私が言いながら伸びをすれば、二人は笑顔でうなずく。


「それはお疲れ様なのです!それじゃ、ぼくたちはこれくらいでお暇させてもらうのです!」


「ここ以外にも今日一日が大型イベントの日だからね、一日を消費する勢いでイベントをこなすことにするよ。」


「あぁ、頑張ってくれ。」


二人とはそれで別れ、昇降口から離れたところで忘れ物をしたことを思い出した。


シンリュウを探すと、シンリュウは忙しそうにしていたので、メールで連絡を入れ、後日家にデータを持ってくるようにお願いして、駐車場まで歩いていく。


「ねぇねぇあるじさま、ちゃんと荷物を持たせたかの点呼、とりしましたか?」


五号が懐から教えてくれたので、みんなの方を振り向くと、それぞれが荷物を抱えていたので問題なさそうに見えるが、一つ一つ荷物がないかを聞いてみると、スナック菓子のゴミを持ってきていないことに気が付き、ゴミはどうしたかを問えば、シンがその辺に捨て置いたことを告げてきたので、ゴミの回収を命じると、一号とアインスがシンを連れて走り去り、集合を車に指定し五号に告げ、その後車に戻ったところで三体がゴミを回収したことが確認されたのだった。


三体が戻ってくるまでに、撮った画像の確認をしたが、どれもいい感じのアングルでは撮れているが、研究に使うには少々物足りないような画角でしかないので、これら全てのちに子供たちに卸すかと考えつつ、トモミは誰と帰るのだろうかとも考えていたのだが、その間に三体が戻ってきたので、車を発進させて家に帰る。


家に帰ったあとは重箱類を手洗いし、出たごみを来週のゴミの日に間に合うようまとめたりと、後始末に追われた。


今日は色々とあったが、なんだかんだ平和に終われてよかったし、明日はトモミの誕生日だ。


そして、運動会をやったということで休日でもある。


どんなふうにお祝いしてやろうかと思っていたら、トモミが帰ってきたので、後で聞こうと思ったのだった。

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